WEB・モバイル2021.04.28

ホームページは作ってからがスタート!お客さまの思いを形にし、10年、20年伴走するWebパートナーに

広島
株式会社リコネクト 代表取締役
Masahiro Kitamura
北村 真弘

運用サポートやディレクションに重きを置く広島の「株式会社リコネクト」。10年、20年とクライアントに寄り添うWebパートナーを目指しているWeb制作会社です。代表の北村 真弘(きたむら まさひろ)さんは、大手企業にSE・プログラマーとして勤めたのち2009年に独立。2013年に出身地・広島で会社を設立しました。「ホームページは作ってからがスタート」と言う北村さんに、Web制作にかける思いや今後の展望、また多様な働き方についての考えなどを伺っていきます。

 

お客さまの「Webパートナー」を目指して起業

会社設立までのキャリアをお聞かせください。

大学でプログラミングを勉強したのち、大手企業2社でSE・プログラマーとして数年間勤めました。その後Web系の会社で制作やディレクション、サポートなどの経験を積み、28歳の時に独立。4年後に株式会社リコネクトを設立し、現在に至ります。

「独立したい」という気持ちはもともとありましたか。

実は、全くありませんでした。起業前に勤めていたWeb系の会社が「効率重視・利益追求型」の会社で、「ここでは自分の思い描く運用サポートやディレクションができない」という思いから転職を検討したものの、理想の転職先がなかなか見つからず……。悩んだ結果、目先の利益だけを追求するのではなく、お客さまに10年、20年と寄り添うWebパートナーになるためには独立という選択肢しかないと思うようになり、起業しました。当時のお客さまが背中を押してくださったことや、独立志向の強い仲間が身近にいた影響も大きかったです。

 

求められているのは「間」の価格帯

個人事業主から会社の設立へと舵を切ったのはなぜですか。

お客さまのご依頼に応えるべくスタッフを増やしたかったのと、制作を内製化(※外部委託をせず自社内で作ること)したかったからです。

個人事業主・中小企業のために、「一定以上のクオリティを持つサイト制作・運用サービス」を事業化したかった。

Web制作の価格は二極化しがちです。テンプレート化された低予算のものをたくさん売るか、高い費用をもらう代わりに、大企業が大きな労力をかけて効果的なマーケティングを行うか。中庸な価格帯での制作は各種の調整が難しく、どの会社も手をつけない場所でした。

でも実際に求められているのは、その「間」の部分だと思ったんです。会社を設立し、制作の仕組みを社内でパッケージ化することで、お客さまにとっての適正価格でサービスを提供できるようになりました。

社内のこともお聞かせください。貴社は労働環境の整備や多様な働き方の採用に力を入れていますね。

サラリーマン時代に勤めてきた会社は、福利厚生が整備された企業ばかりだったので、私自身は普通のこととして取り組んでいます。株式会社リコネクトでは、毎週のように誰かが年次有給休暇を取っています。取得しやすい文化や雰囲気を作ってくれているスタッフのみんなに感謝しています。よりよい労働環境や多様な働き方の採用は、会社の存続にとって重要です。

人口減少が見込まれる今後の日本では、定時出社、リモートワーク、短時間勤務、外部パートナーなど、多様な働き方を受け入れていかないと、そもそも会社が長続きしないのではないでしょうか。また、企業が求人を出すのは、規模を大きくする時や人員の足りない時……つまり、お客さまからたくさんのご依頼が集まっている時です。お客さまのご要望にお応えする器の大きさを、必要な時にすぐ準備できるよう、求職者に選ばれ続ける会社になろうと思っています。

 

ホームページは作ってからがスタート

Web制作のディレクションで大切にしていることは何ですか。

制作側からの提案ベースではなく、「お客さまの思いをベースにしたディレクションをする」です。事業をされている方々ご自身の「こういうサイトにしたい」という思いをベースに、Webのプロとしての提案要素を、援護射撃のように追加していきます。最初から「どんな色にしますか。何を載せますか」などと直接的なお尋ねはしません。事業を起こしたきっかけなど、サイト制作に直結しない周辺部からしっかりとヒアリングし、少しずつお客さまが「理想のWebサイト」を思い描く想像力へとつなげていきます。

制作後の「運用サポート」にも力を入れておられますね。その理由をお聞かせください。

制作中は、お客さま・制作側ともに完成へ向けて自然と頑張れるのですが、その全ては「公開前」の話。ホームページは、作ってからがスタートなんです。公開後のホームページには、画像の差し替えやテキストの変更、コンテンツの追加など様々な更新作業が必要となります。しかしながら、多くの制作会社が管理や運用をお客さまに委ね、「ご自身で更新できる仕組みです」と言ってお客さまから離れようとします。

大枠としてはそれでよいのですが、自分でできる仕組みにしているからといって、実際に自分で更新できるとは限らないですよね。お忙しいなどの理由で、お客さまによる作業が難しいことがあります。そんなときテキストでの簡単なお知らせやちょっとした実績の更新であっても、制作サイドが行うべきだと思っています。

これからのホームページの立ち位置

中小企業が取るべき今後のホームページ戦略についてお聞かせください。

消費者が企業情報に触れる際、最近は一次情報を商品やSNS、ポータル的なサービスから得たのち、2番目のツールとしてホームページを見るという流れが多いようです。これからのホームページは、「企業のことをすでに知っている人のためのツール」という立ち位置。クラウドファンディングやYouTube、オンラインサロン、clubhouseの流行からも見て取れるように、今後は「任意のものに共感する狭い範囲の人たちが集まった強固なコミュニティ」の有無が、勝負の分かれ目となってきます。中小企業は、ターゲットとする消費者や、すでに商品・サービスの周囲にいる消費者を確実に獲得できるよう、もっとローカルに、狭い範囲でホームページを見せていく必要があると思います。

貴社の今後の展望をお聞かせください。

オリジナルWebサービスの開発や、SEO対策に関するサービスのパッケージ化、空き物件の有効活用など、チャレンジしたいことはたくさんあります。また、後進の育成にも興味があり、Web業界を目指す人向けのスクールもいつかやってみたいです。現状、職業訓練校やオンラインスクール、専門学校などでの教育内容は「制作」の部分に偏りがちです。Web業界を目指す人向けの教育が制作寄りで、会社も制作に寄ってしまっているからです。これが「作ったら終わり」のホームページをたくさん世に出してしまう理由ではないでしょうか。これからの業界を担う方々にディレクションや運用サポートの大切さをお伝えできれば、Web業界全体が変わるのではないかと思っています。Web業界の歴史はまだまだ浅く、あのGoogleでさえ今年でやっと創業23年目です。私自身、起業前と合わせて約15年間で学んできたことを、地域や業界に還元していけたらいいなと思っています。

取材日:2021年3月2日 ライター:甲斐 寛子

 

 

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株式会社リコネクト

  • 代表者名:北村 真弘
  • 設立年月:2009年7月
  • 事業内容:ホームページ制作・デザイン・運用管理、Webシステム設計・開発、DTPデザイン・印刷など
  • 所在地:〒733-0011広島県広島市西区横川町3丁目12−10村上ビル5F
  • URL:https://www.rcnt.jp/
  • お問い合わせ先:info@rcnt.jp

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