邪気払い
季節が夏から秋へ移り変わり、だんだんと涼しくなってきた今日この頃。
季節の変わり目は、疲れがとれず心身ともに不調が出やすい時期でもあります。
私も例年のごとく、弱った心身に鞭打って働き、帰宅したら「めし・ふろ・ねる(ねれない)」な毎日です。
なんか元気出ることないっすかね…
と思いながらぼんやりカレンダーを見ていたら、9月9日に「重陽の節句」の文字。
中国の陰陽思想において「陽」の数である奇数が最大になるため、9月9日は「重陽」と呼ばれます。
陰陽の「陽」というとポジティブなイメージですが、陽気が強すぎるのもまた不吉なものとされていて、
「重陽の節句」では邪気払いと長寿を願って、菊の花を飾ったり、菊酒を飲んだりするそうです。
桃の節句や七夕ほどメジャーではなく、ほとんど見かけない行事ですよね。
かくいう私も大人になってから漫画で知りました(笑)。
…むむ、この不調は「邪気」のせいでは?!重陽の節句を祝ってこの邪気を払おう!
ということで、思い立ったが吉日、菊を買いに行く計画を立て、せっかく花を飾るのだから、夫にお茶を点ててもらおう!(仕事帰りなのにやらせる気満々)
そしたら和菓子だな。菊の練りきりがいい。お茶会をやろう!
と夢を膨らませながら爆速で仕事を終わらせ、菊の花と菊の練りきりを手に入れて茶会の準備へ。
目標は「風流な行いを通して、日常で荒んでしまった心にうるおいを与え、雅な気持ちになること」。
菊を生け、茶を点ててもらい、いざ茶会開始!
「結構なお手前です」
「美味しゅうございます」
「あら、まぁ」
「…」
雅な言葉思いつかん!語彙力ねぇ!
二人でそれっぽい言葉で話すも続かず、最終的に
「お茶が苦いでございます」
「失礼あそばせ」(「ごめんあそばせ」を間違える)
と、よくわからない言葉が乱れ飛び、夫から「エセ雅」言われる始末(笑)。
結局グダグダになりましたが、なかなかのやりがいと満足感を得られました。
花を眺め、たくさん笑って、気がつけば、疲れやだるさ、気持ちの落ち込みはどこへやら。
季節の行事、たまにやってみると邪気払いに効果があるかも知れません。