運河を照らす光と影「ヴェネチア」を和紙アートで。
こんにちは。梅雨も明け、暑さも本格的になってきましたね。
最初に関西のクリエーターとして、どうしても触れなければいけないことがあります。
京都アニメーションで起きた悲しい事件について、犠牲になられた方々に心からご冥福をお祈りいたします。また、そのご遺族にお悔やみを申し上げます。私は京都精華大学出身です。漫画学科アニメーション科がありますので、何人もの卒業生が京都アニメーションに就職していました。あまりにもつらい出来事で、とても胸が傷みます。あちらこちらで募金もスタートしています。世界からも悲しみへの共感と応援のメッセージが届いています。とはいえ、残されたご家族の悲しみは、いくばかりか…少しでも悲しみが癒されますことを願ってやみません。
さて、前回、和紙のちぎり絵で創作したうちわや扇子をご紹介しました。
今回は、グッズではなく、壁面に飾る和紙アートをご覧ください。
これらも全て母の作品です。
水の都、ヴェネチアをモチーフに、光と影の濃淡をまるで水彩画のように表現しています。
この作品は、私がヴェネチアを訪れた時に撮った写真から母が創作したものです。
かつてヴェネチアには2度訪れました。まるで季節の異なる夏と冬。
どちらも大学時代ですから、大昔ですね!!
まだ通貨もユーロではありませんでした(古い…笑)。
当時も、運河の水が1日の中で満ち潮と引き潮になり、店内や教会の床は一時的に浸水することに。
だからこそ、建物内部の床はタイル張りが主流。特に教会の床がモザイクタイルで美しかったこと!! クリムトが背景に描く絵柄と同じ印象でした。
今では、沈みゆく街とも言われています。
この絵のように沢山の小さな橋があり、どこも同じような風景で、歩いていても迷路に入ったようで、なかなか目的地に着かない。
ヴェネチアでは道が細いため、車のみならず、自転車も禁止。交通手段はゴンドラ、水上バス・水上タクシーのみなのです。そういう意味では、後ろから、車や自転車がやってくるストレスはないですね。
独特の文化と歴史が残されたこの街が大好きで、特に陰影がもたらす街の風情をちぎり絵で表現したら面白いのではないかと、母に創作してもらいました。
予想通り、和紙の味わい深い色合い、グラデーションがヴェネチアのレトロ感を引き立てています。光が当たっているところに温かみを感じます。
サイズも大きな作品ですが、和紙の裂き具合に勢いがあり、情感を漂わせつつ母の力強い作品だと手前味噌ながら思います。
今は、私の仕事部屋に飾り、毎日、元気をもらっています。
こちらは、バルコニーのお花たち。色とりどりの華やかさが絵画とは一味違い
和紙のちぎり絵ならではの趣きがあります。この作品は、私の寝室に飾っています。
上記の2作品は大型ですが通常の色紙タイプもありますよ。
これは可愛いお部屋ですね…。母の想像上の部屋みたいです。クッションの市松模様の細やかさに驚かされます。
和紙ちぎり絵というと、「和風のもの」というイメージが強いかと思いますが、
ご紹介した作品のように洋のテイストの物も多いのです。あえて外国の風景や洋風のテーマを和紙で表現することで新たな世界観が生まれます。
何か新しいものを作ってみたい方は、ぜひチャレンジしてみてくださいね!