ハーバルセラピストの推しハーブ 花粉症やインフルエンザに「エルダーフラワー」
これまで、この連載でいくつか「ハーバルセラピストの推しハーブ」をご紹介してきた。
- 心身の緊張をほどく「リンデン」(Vol.8)
- 免疫力の「エキナセア」(Vol.9)
- 花粉症や貧血に「ネトル」(Vol.10)
- 疲労やダイエットに「マテ」(Vol.11)
- 定番&万能ハーブ「ジャーマンカモミール」(Vol.12)
……いくつ推しがあるんだというご指摘をいただくかもしれない。
でもハーブを学んでみると、声を大にして言いたくなることがある。
それは「相乗効果って最高だよね!」。
1つのハーブには、数十~数百と言われるほどたくさんの作用がある。
主に1つの症状に狙い撃ちする医薬品との大きな違いだ。
そして多くの種類をブレンドすることで、お互いのハーブの作用を強めたり引き出したりと、
いろいろな悩みに多様に適応できるようになる。
というわけで、推しても推しても推したりないのが本音だが、
なるべく手に入りやすく、ブレンドを楽しみやすいハーブに絞っていきたいと思う。
そんな今回は、今の時期におすすめの「エルダーフラワー」。
日本では「西洋ニワトコ」とも呼ばれ、レンプクソウ科(スイカズラ科)に属している。
使うのは主に花部で、小さくて白い花は見た目もかわいく、人気のハーブだ。
ほんのりとマスカットのような甘めの香りがある。
そんなエルダーフラワーは呼吸器系のトラブルによく使われる。
「インフルエンザの特効薬」と呼ばれ、
くしゃみ、鼻水、鼻づまりなど、風邪や花粉症の症状にも効果的だ。
エルダーフラワーの主な作用は、以下の通り。
- 発汗
- 利尿
- 抗アレルギー
風邪で発熱したとき、汗を出して熱を下げたり、
尿を出して体内を浄化し、花粉症のアレルギー症状をやわらげてくれたりする。
利尿作用は、むくみの改善にもおすすめだ。
シングルはもちろん、例えばこんなハーブティーのブレンドもおすすめ。
<花粉症>
エルダーフラワー(2g)/ペパーミント(1g)
<風邪・インフルエンザ>
エルダーフラワー(2g)/リンデン(1g)
ペパーミントの清涼感とエルダーフラワーの抗アレルギー作用で、鼻づまりを改善したり、
発汗作用のあるリンデン(vol.7をご参照)とのブレンドで、
熱を下げる相乗効果を狙ったりする。
ハーブティー以外でも、砂糖を煮詰めて作る「エルダーフラワーコーディアル」が有名だ
(vol.4をご参照)。
ちなみに、「ハリーポッター」には魔法の杖「ニワトコの杖」が登場する。
そのニワトコの木の花がエルダーフラワーだが、
古くからエルダーフラワーには魔除けの効果があると信じられてきたからだそう。
ヨーロッパだけでなく、アメリカの先住民の伝統医学でも使われてきた、
歴史あるハーブの一つである。
季節の変わり目や、風邪のひきはじめ、花粉症でつらいときなどに、
ぜひエルダーフラワーを活用してみてほしい。
※持病や服用中のお薬等によりハーブの使用が不安な場合はかかりつけ医などにご相談ください。