ハーバルセラピストの推しハーブ 女性の味方「ラズベリーリーフ」
これまで、いくつか推しハーブをご紹介してきた。
- 心身の緊張をほどく「リンデン」(Vol.8)
- 免疫力の「エキナセア」(Vol.9)
- 花粉症や貧血に「ネトル」(Vol.10)
- 疲労やダイエットに「マテ」(Vol.11)
- 定番&万能ハーブ「ジャーマンカモミール」(Vol.12)
- 花粉症やインフルエンザに「エルダーフラワー」(Vol.13)
……推しが多すぎるかもしれない。
でも、ハーブの最大の魅力は「相乗効果を狙える」ということ。
一つのハーブが数十~数百と言われるほどたくさんの作用を持つため、
いくつかブレンドすることで、作用を強めたり補ったりすることができる。
心身ともに、いろいろな悩みに多様に適応できるのだ。
というわけで、ご紹介したいハーブはたくさんあるが、
なるべく手に入りやすく、ブレンドを楽しみやすいものに絞っていきたいと思う。
そんな今回は、女性の強い味方「ラズベリーリーフ」。
日本では「ヨーロッパキイチゴ」とも呼ばれ、バラ科に属している。
使うのは葉部で、ほのかにフランボワーズの香りがする。
そんなラズベリーリーフは「タンニンハーブ」の代表だ。
タンニンの語源はタンニング=「皮をなめすこと」。
タンニンは、タンパク質を固め、皮膚を引き締めたり炎症を抑えたりする成分だ。
ラズベリーリーフの主な作用は、以下の通り。
- 鎮痙
- 鎮静
- 収れん
鎮痙とは、筋肉の緊張を和らげる作用のこと。
ラズベリーリーフは、子宮や骨盤まわりの筋肉を調整してくれる。
そのため、月経前症候群(PMS)や、生理痛の予防と緩和によく使われている。
また、ヨーロッパでは古くから「安産のお茶」として知られ、
出産準備のために助産師やハーバリストの間で使われてきたそう。
(ただし伝統的に妊娠初期は使わないなど、使用時期には要注意)
他にも収れん作用を生かして、下痢や扁桃炎などにも使われる。
シングルはもちろん、例えばこんなブレンドもおすすめだ。
<生理痛>
ラズベリーリーフ/ジャーマンカモミール(ともに2gずつ)
生理特有の腰まわりの痛みをやわらげるラズベリーリーフは、まさに女性の味方。
ジャーマンカモミールも、冷えや痛みに適している。
痛みが強い時期は特にコーヒーやジュースよりも、温かいハーブティーがおすすめだ。
これから気温が上がり、暖かくなってくるとついつい冷たいものが欲しくなる。
でも、体内を常に温めておくことは、とても大切。
特に忙しい女性ほど、ハーブティーを体調管理にうまく活用してほしいと思う。
※妊娠中の方、持病や服用中のお薬などでハーブの使用が不安な方などはかかりつけ医などにご相談ください。