レッドデータとなった〈喫煙席〉
最近埼玉県の自然動物園にオーストラリアからやって来た「クォッカ」という動物が話題になっています。人呼んで“世界一しあわせな動物”なのだそうです。そのわけは、口が上に向かって大きく割れているため、正面から見ると笑っているように見えるからなのだそうです。 「クォッカ」の生息地はオーストラリア南西部の島の森林や湿地帯で、体調は40〜50センチほど。カンガルー目カンガルー科に分類される小型のカンガルーの仲間だそうです。 笑っているように見えることから“世界一しあわせな動物”というキャッチフレーズがつけられた「クォッカ」ですが、実はその数が激減し〈絶滅危惧種〉、いわゆる〈レッド・データ・アニマル〉に指定されているといいますから、笑ってばかりはいられません。 話は変わって、短にある〈レッド・データ〉、〈笑ってばかりはいられない〉と思うものに、〈喫煙席〉があります。タバコを吸わない人は、「そんな大袈裟な」と思われるかもしれませんが、愛煙家でけっこうカフェで仕事をしているぼくとしては、結構な問題なのです。 写真はよく利用している都内某所のカフェの一隅です。ガラスで覆われていることからおわかりのように、ここはかつて〈喫煙席〉でした。20席ぐらいはあったと思います。ところがある日突然、テーブルと椅子が撤去され、ごらんのように灰皿付きのスタンドだけがある空間になってしまったのです。これは〈コロナ禍〉ではありません。それと同様に都民に押し寄せた「東京都受動喫煙防止条例」(2020年4月1日施行)のせいで、こんなことになったのでした。 今やほとんどのカフェから〈喫煙席〉が姿を消しました。その代わりにできたのが〈喫煙ブース〉です。多くの店が1坪ほどのスペースしか割いていないので狭く、4人も入ってしまえばまさに「三密」の状態。 「これじゃ肺がんになる前に、コロナに感染しちゃうよ」 そんな友人のジョークに笑えない、今日この頃です。 ※ちなみに写真の店は、〈喫煙席〉のエリアをそのまま〈喫煙ブース〉にしてくれたので、例外的に広いです。ありがたいことです。