新潟に眠る刀剣魂『越後の巨匠と誇り』
今もなお人気が続く「刀剣乱舞」はご存知でしょうか?
日本刀を擬人化した作品で、刀剣男子達が熱い戦いを繰り広げる作品です。
教科書にも出てくるような有名な武将や偉人の剣もあれば、とてもマニアックなものもあり、個性豊かなキャラクターと刀剣の魅力を存分に味わうことができます。
刀剣乱舞5周年記念として「刀剣乱舞-本丸博-2020」が新潟でも開催される予定だったのですが、社会情勢の影響もあり残念ながら中止になってしまいました。
刀剣乱舞に触れることはできなくなってしまいましたが、新潟県には刀剣を展示している施設がいくつかあります。
その中のひとつ、下越地方の新発田(しばた)市にある「刀剣伝承館 天田昭次記念館」という施設へおじゃましました。
第9回目は新潟に眠る刀剣魂『越後の巨匠と誇り』をレポートします!
人間国宝 天田昭次氏とは
新潟県新発田市出身の天田昭次(あまたあきつぐ)氏は1997年に重要無形文化財保持者、人間国宝に認定されました。
刀を作るために自家製法にこだわるほど飽くなき挑戦を続けた人物で、正宗賞(※)を三度受賞した素晴らしい経歴を持っています。
※正宗賞:新作刀コンクールでその年の最も優れた作品に贈られる特別賞のこと
刀剣伝承館 天田昭次記念館とは
新潟県新発田市にある公園「月岡カリオンパーク」内にあります。
月岡(つきおか)といえば温泉で有名な地域です。
「美人の湯」として親しまれており、県内外の人達が心安らげる場所となっています。
[写真]刀剣伝承館 天田昭次記念館 入り口(令和2年11月撮影)
[写真]刀剣伝承館 天田昭次記念館 看板(令和2年11月撮影)
刀剣へのこだわり
自家製法にこだわる理由として「鎌倉末期の刀が一番優れている」という考えがありました。
この新発田市の月岡は刀鍛冶に必要な「良質の粘土」「井戸水」「赤松の木炭」が揃っている素晴らしい環境と条件が揃っています。
刀匠の中でも刀鍛冶に対してストイックなこだわりを持ち、刀剣を作り続けるためにこの地に拠点を置きました。
展示されている刀剣達
「太刀」「直刀」「脇指」「大太刀」などさまざまな刀剣が展示されており、そのひとつひとつに輝きと魅力が詰め込まれています。
特に「正宗賞」を受賞した刀剣は存在感と重厚さ、そして美しさに思わず息を呑んでしまいます。
各地の記念刀として作られた刀剣もあるため、天田昭次氏が地域や刀剣に貢献した偉人であることが伝わってきました。
この施設の1階には刀剣をはじめ、歴史的にも貴重な掛け軸や刀剣の鍔(つば)などが、2階には天田昭次氏の鍛冶場や自宅の部屋などを再現したものが展示されています。
刀鍛冶に必要な道具や風景を見ることができるのでとても勉強になりました。
まとめ
日本の文化、伝統のひとつである「刀剣」が「刀剣乱舞」という作品により、改めてその魅力に注目されるようになりました。
そして「刀剣」に計り知れないほどの想いが込められているのは実際に見に行かなければ分からなかったことだと実感しました。
新潟でもこうして刀剣に触れ、学ぶことができるのはとても貴重で素晴らしいものだと思います。
いつか刀剣乱舞の企画が開催され、これからも日本文化や伝統が盛り上がり続けるといいですね。