俳句、をかし!
柿くへば、鐘が鳴るなり、法隆寺
古池や、蛙飛び込む、水の音…
五・七・五の17音からなる日本独自の定型詩であり、世界一短い詩とも言われている「俳句」。
たった17音で、季語を入れながら自然美や心情、哲学、情緒などをギュッと表現することは、難しさと同時に、独特の美しさや17音におさまらない情景を心の中に広げてくれます。
その歴史を遡ると、鎌倉時代に始まって室町時代に大成された「連歌(五・七・五・七・七)」の発句の部分が独立して、現在の五・七・五のスタイルが誕生。もともとは江戸時代に「俳諧」と呼ばれており、松尾芭蕉が確立させ、さらに約100年前に正岡子規たちによって「俳句」と呼ばれるようになりました。
実はこの「俳句」、世界的にもブレイクしている日本文化の一つなんです。
英語俳句は流石に五・七・五のルールは難しいため、3行の短い詩であれば良しとされています。
イギリス人文学者レオナルド・ブライスが「俳句Haiku」という本を出版し、英語圏に俳句を紹介するなどして海外に俳句が伝わり始めたのが、第二次大戦後。2010年代以降特に人気を博しており、ちょっと調べただけでも、在セネガル日本大使館が俳句コンクールを開催していたり、国際俳句交流協会があったり、日仏俳句コンクール、日本・リトアニア俳句コンテスト、スウェーデン俳句協会(カイ・ファルマン元大使館公使が熱心だった)、世界俳句教会…たくさんの「俳句×海外」のつながりが発見できます。
特にびっくりなところでは、句集を出すほどの初代EU大統領で元ベルギー首相のファン・ロンパイさんに、四国の主婦・尾崎美恵さんが会いにいったというニュースもかつてありました。
気軽に作れて、心を豊かにしてくれる俳句。おうち時間の隙間時間にちょっと早春の心を歌ってみてはいかがでしょうか?