激動の時代を駆け抜けた25年の『るろうに剣心展』~後編~
2021年 6月19日〜 2021年8月29日まで開催されていた「25周年記念 るろうに剣心展」は無事に終了し、幕を閉じました。
たくさんの人々が足を運んだ巡回展でした。
公式サイト:25周年記念 るろうに剣心展
今回はより詳しい内容をお届けします。
第22回目は『激動の時代を駆け抜けた25年の『るろうに剣心展』~後編~』をレポートします!
関連記事:激動の時代を駆け抜けた25年の『るろうに剣心展』~前編~
るろうに剣心とは
1994年に週刊少年ジャンプにて連載されていた漫画です。
主人公は緋村剣心、かつては「人斬り抜刀斎」として恐れられた伝説の剣客です。
神谷薫や相楽左之助、明神弥彦らとともにさまざまな困難に立ち向かい、乗り越え、成長していきます。
新潟市美術館とは
新潟市中央区にある、新潟市民に親しまれている美術館です。
さまざまな展覧会を数多く開催しています。
るろうに剣心展 会場内で語られていたもの
主要な登場人物の原画と、大きく分けて5つのテーマに沿った原画が展示され、名シーンとともに語られていました。
5つのテーマは「仲間」「正義」「強さ」「命」「幸せ」…るろうに剣心の物語の中で敵味方関係なく登場人物たちが担っていたものです。
「仲間」とは
剣心と薫の出会いをはじめ、のちに登場する弥彦や左之助、相対する志々雄など、それぞれの仲間の存在が彼らの行動に大きく関わっています。
仲間の存在があってこそのワンシーン、セリフ、イラストなどが展示されていました。
「正義」とは
剣心たちの考える正義、志々雄ら相対する者の考える正義…自身の中にある信念を貫き、戦い続ける様子がピックアップされていました。
だからこそ衝突し、剣を交えるのはそれぞれの立場や考え、思想が違うからこそ起きてしまうことなのかもしれません。
熱く、強い気持ちがイラストとセリフに表されており、目を見張るものばかりでした。
「強さ」とは
何度も剣を交え、戦いを繰り返し、それぞれの考えや悩み、葛藤も大きく変化していきます。
とある一場面では自身の弱さを嘆いていた弥彦が、戦いの中で剣心がなぜ強いのか、自分に足りなかったものは何なのか、気付いて成長していく様子が描かれていました。
たゆまぬ努力と諦めない心があったからこそ弥彦は前に進んでいきます。
そんな姿に憧れを抱いてしまうほど、原画の一コマやワンシーンがとても印象的でした。
「命」とは
守る命、守られる命、懸ける命、自ら断とうとする命、さまざまな状況の中で命の重みと大切さが描かれています。
ここでも登場人物の信念を貫き通す名シーンの原画が展示されていました。
「幸せ」とは
戦い続けた先に見つけたもの、戦ったからこそ得られたものが剣心たちにはありました。
紆余曲折ある中で、それぞれが見つけた幸せは形となって表れています。
感動的なシーンが多く、ファンの方にとっては涙なしでは語れないのではないでしょうか。
こんな幸せは素敵だな、と思えるようなものがたくさんありました。
ここだけの、特別なもの
今回の巡回展では特別なものも見ることができました。
それは緋村剣心の刀「逆刃刀・真打」です。
岐阜県関市の無鑑査刀匠、尾川兼國(おがわ かねくに)氏が作りました。
美しい刀の輝きの裏には、とある言葉が刻まれています。
目に入った瞬間、思わず息をするのを忘れてしまうほどの感動です。
このほかにも設定資料、作者が使用していた道具、実写版の衣装なども見ることができました。
どれも貴重なものなので、見ることができた感動は今も覚えています。
まとめ
るろうに剣心をテーマに沿って楽しみつつ、物語や登場人物たちの心情を感じられた展覧会でした。
展示されている原画にはトーンやベタ、白い修正など、描き上げた様子が残っているのもまたいいですね。
新潟にゆかりのある作品が今も語り継がれ、愛されているというのはとても誇らしいです。
長く親しまれる作品を展覧会という形で触れられた、貴重な時間となりました。