見つめて眺める『空模様と色の時間』
暑い夏が過ぎ去り、季節の変わり目とともに秋がやってきました。
毎日お仕事や学校などの生活を過ごす中、1日に1度は空を見るかと思います。
例えば、太陽が昇る瞬間の朝日の空は強烈な眩しさの中、冷え切った空気を温めてくれます。
夕日であれば徐々に太陽が沈んでいくわずかな時間、赤からオレンジ、紫、青、濃紺…と空は綺麗なグラデーションを魅せてくれます。
天気によって、時間によって、季節によって、さまざまな表情を見せてくれる空。
実はデザインや制作でのひらめきやアイディアにもなります。
第4片は見つめて眺める『空模様と色の時間』です。
天気の空、時間の空
空を眺める時、天気によって空の色に違いがあります。
雲ひとつない空の時、白く輝く太陽とともに澄んだ空気によって「み空色(みそらいろ)」が一面に広がります。
逆に雲があって、それが厚ければ厚いほど「鈍色(にびいろ)」の空となり、重厚感のある雰囲気にのみ込まれます。
さらに雲の隙間から太陽の光が差し込むことで重厚感の中に、また違った印象の空にもなります。
この隙間の光は「薄明光線(はくめいこうせん)」「天使の梯子」などと呼ばれており、実際に見てみると神秘的な雰囲気を醸し出しています。
太陽が昇りきれば「天色(あまいろ)」が、月が見える時には「瞑色(めいしょく)」が目の前に広がります。
時間によって大きく変わる空模様ですね。
季節の空、体感の空
時間は同じでも、季節によって色も雰囲気も違う空を見ることができます。
暑さや寒さなどの体感も相まって、季節の空に抱く印象は大きく違うかと思います。
日中の空を見た時。
春の「空色(そらいろ)」なら、ぽかぽかと暖かい、モンキチョウが舞っていそうな空。
夏の「紺碧(こんぺき)」なら、太陽のじりじりとした暑さの中に、入道雲を見つめてほんの少し切なくなるような空。
秋の「薄群青(うすぐんじょう)」なら、澄んだ空気と涼しい風が吹く、季節の変わり目を感じる空。
冬の「浅縹(あさはなだ)」なら、雪の照り返しの眩しさと、息を吸った時の冷たさで冴えるような空。
色の時間
空模様には人それぞれの、自分だけの空色があると思います。
忙しくなると自然や季節のことをつい忘れがちになりますが、少し立ち止まって目の前にある空を見つめて眺めると、何か感じられるものがあるのではないでしょうか。
いつも見る空に目を向けて、自分だけの時間と季節の色を見つけたいですね。