ミニシアターの思い出
この前、『小さき麦の花』という映画を観に行った。場所は伏見ミリオン座というシアター。
初めて行く場所だったが、前から行ってみたかった映画館だった。
私は専門学生だった頃、ミニシアターにハマっていた。
元々映画を観るのは好きだったが、ミニシアターで上映するマニアックな映画に興味を持っていた。 たまに一人でふらっと映画を観に行くことが楽しかった。でもここ最近は、映画はもうほとんどサブスクで観るという状態だった。コロナで映画館に行きづらくなったのもあるが、それより前に映画を映画館で観るという経験をしばらくしてなかった。
それが去年、岐阜のCINEXで映画を見てから、また映画館に行く楽しさが再燃した。そのときに観た韓国映画の『三姉妹』もとてもよかったが映画館のある柳ヶ瀬の街の佇まいにも惹かれるものがあった。 岐阜CINEXのような小さい映画館は最新式の音響があるとかそういうのじゃなくて、歴史を感じるところがいいところがいいと思う。
ミニシアターの良さを感じていた矢先のこと、名古屋の名演小劇場が閉館するニュースを知る。私はここに10年以上前に、『落下の王国』という映画を観に行ったことがある。 名演小劇場に行ったのはそれ1回のみだが、雰囲気のいい映画館だったという思い出がある。何か、肩ひじ張らなくてもいいそんな不思議な空間だった覚えがある。(最後に『茶飲友達』という映画を観たかったが、都合が合わず観に行けなくて残念だった。)
そして、最近も今池のシネマテークが夏に閉館するというニュースがあり寂しい気持ちだ。コロナでお客さんたちに寄付をしてもらったりしてがんばる姿を何度かニュースで観た。 シネマテークでは、学生時代に寺山修司の映画やチェコアニメを観に行ったことがある。 シネマテークには毎月スケジュールのチラシがあって、お店やライブハウスに行くと置いてあるのでよく貰ってきていた。映画を観に行けなくても、ホームページで上映する作品の説明を観たりしてどんな映画がやってるのか知るだけでも楽しかった。 シネマテークは、多分私が初めていったミニシアターだと思う。それだけに閉館のニュースはショックだった。
名古屋のミニシアターは、他にもシネマスコーレに行ったことがある。シネマスコーレでは、吉本ばなな原作の『デッドエンドの思い出』を観に行った。 行った回数は決して多くないけど、ミニシアターにはいろんな思い出がある。時間の流れとともに淘汰されてしまうもの・・・そこにはたくさんの思い出があったのだと思う。 まだ行ったことないミニシアターにも行ってみたい。それは映画を観るという目的以外にも、その映画館に行くことにも意味がある気がする。