デジタルメディアで、世界をめざす!
- 名古屋
- 株式会社 アスタスタ 代表 長坂 正仁氏
自分たちが活躍することで、仕事をご依頼いただくお客様のビジネスを二乗、三乗と指数関数的に成長させたい。という想いを社名に込めた株式会社アスタスタ(Astaster**)代表の長坂正仁氏にお話を聞きました。お話の中から感じられたのは、デジタルメディアへの期待と大きな愛情。新しい分野への取り組みをも果敢に行う姿に、大きな刺激をいただきました。
子ども時代の夢に、近い場所に着地する。
子ども時代にはどんな夢をお持ちでしたか?
絵を描くことが好きで、小学校の文集で書いた将来の夢は「ゲームのグラフィックをつくる人」でした。中学時代、パソコンで描いたドット絵の作品を雑誌に投稿し、掲載されたりもしたんです。しかし、パソコンに触れているうちにプログラミングにも興味が出てきて、高校は普通科ではなく情報処理科に進みました。
好きだった「絵」ではない方向に進むことに抵抗はなかったのですか?
ドット絵の作品を投稿するうちに、絵やゲームの領域で食べていくのは正直難しいかな…と感じたんです。だから、絵は趣味で続けていけばいいと納得していました。高校では事務系の仕事で使う「COBOL」というプログラミング言語を学んで国家資格も取り、将来はプログラマーでやっていこうという気持ちでいました。
高校を卒業後は、すぐに就職されたのですか?
いえ、高校で学んだプログラミングの知識をさらに深めようと、コンピューターの専門学校で3年間学びました。そしてプログラマーとして就職先も決まっていたのですが、あることがきっかけで結局プログラマーにはならなかったんです。
その「きっかけ」についてぜひ教えてください!
それは「ポスターコンペ」への応募でした。専門学校に入ってからも授業とは別に独学で3DCGを学んでいたのですが、たまたま学校の文化祭で使うポスターの公募を知りました。気軽な気持ちで出してみたら、なんとその作品が採用されたんです。しかも、先生方がそのポスターと僕のスキルに興味を持ってくださり「長坂、内定が出てることは知ってるけれど、実は学校にマルチメディアコースができる予定だから、そのまま学校に就職して講師になってくれ!」って(笑)。それで、内定を辞退してコンピュータグラフィックスの講師として社会人デビューすることになりました。
すごい!結果として子ども時代の夢に近い仕事に就かれたんですね。その後、起業されるまでのキャリアも教えていただけますか?
その専門学校で4年ほど講師をして、その後は広告代理店のクリエイティブ部門に転職。3年ほどキャリアを積みました。その広告代理店時代にウェブ制作の知識を学んで、30歳でフリーランスとして独立しました。父は花屋を営んでいるのですが、その父も30歳くらいで独立したと聞いていたため、自然と独立の方向に気持ちが向いていったという感じがしています。
デジタルの領域で、真剣に遊ぶ。
御社の事業フィールドについて教えてください。
現在の売上ベースで考えると、ウェブ関連が約7割を占め、アプリ開発が3割ほどとなります。しかし、当社のモットーは「Digital Media Architects」。ウェブ関連の事業のみにアンテナを張っているわけではなく、スクリーンに表示されるものすべてが私たちのクリエイティブ領域だと考えています。ドローンや360度カメラ、リープモーション、VRなど最新のデジタル技術も取り入れて、開発が行える環境を整えています。
ビジネスを行っていくうえでの御社の強みを教えてください。
代表の私がプログラムの領域に明るいというのが、強みの一つだと感じています。新しい技術を意識的に吸収していることもあって、実験的なコンテンツの相談・依頼を受けることも多いです。ある自動車メーカーの研究開発部門からは、未来に向けて検討中の次世代インターフェースを社内提案するためのモック(試作)や、ゲーミフィケーションを取り入れたeラーニングシステムのモックの作成を依頼されたこともあります。会社としても少数精鋭の体制でビジネスを行っているため、物量で勝負するコンテンツよりは、これまでにない新たなコンテンツを生み出すほうが得意です。
仕事で大事にしていることはありますか?
開発中のコンテンツが「トレンドに乗っているか?」を検証することを大事にしています。ウェブコンテンツの世界はトレンドの入れ替わりが非常に早いので、社内チャットなどを活用して最新の情報を常に社内共有するよう心がけています。また、吸収した新たな技術を積極的に実装することも心がけています。クライアントも気づかないような細部の仕様だったりもしますが、気づく方にとっては「すごい!」と思っていただけるような工夫を重ねています。
学んだことが「つながる瞬間」がきっと来る。
御社の今後の展望をお聞かせください。
現在は受託案件が事業のほぼ100%を占めていますが、今後は自社サービスを手がけていく予定です。それも、日本国内だけで使われるサービスではなく世界中で使っていただけるものを作りたいと考えています。実際に動き出しているプロジェクトもあり、再来年のローンチに向けてパートナー企業とともに準備を進めています。自社サービスをうまく軌道に乗せることで、会社としての名もあげたいですね。アスタスタのことを社員が「誇らしい!」と感じる会社に成長させていきたいです。
最後に、クリエイターに向けてアドバイスをお願いします。
さまざまな技術やチャンスなどを「食わず嫌い」することなく、積極的に挑戦していくことが大切かなと思います。僕の場合は、プログラミングとグラフィック、どちらの道に進もうか揺れながらも、両方を学び続けてきました。そうするとFLASHのブームがやってきて、テクノロジーの領域とビジュアルの領域がカチッとはまったんです。その出来事こそが、結果として会社が成長する原動力にもなりました。学ぶ領域や興味のアンテナを狭めることなくいろんなことに挑戦していけば、それがどこかでつながる瞬間がきっと来ます。だから、めんどくさがったりせずに、さまざまなことにチャレンジしてみてください。
取材日:2018年3月13日
株式会社アスタスタ
- 代表者名: 長坂 正仁
- 設立年月:2006年10月
- 資本金: 300万円
- 事業内容: Webサイトの企画、構築、運営/デジタルサイネージコンテンツ制作/タッチパネル端末用コンテンツ制作/業務用Webアプリケーション開発
- 所在地: 〒460-0008 愛知県名古屋市中区栄1-22-31-2C
- TEL: 052-228-9662
- URL: http://www.astaster.jp