祖父の九谷焼
北海道
ライター・エディター
かーちゃん
小山佐知子氏
実家にはよく、謎の中国人や竜が描かれている器がありました。
欧米風のオシャレに憧れる子どもにとっては、「ナニコレ、ださっ」と思うこともありましたが、
実は九谷焼の器だったのですね。
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九谷焼(くたにやき)は、石川県南部の金沢市、小松市、加賀市、能美市で生産される色絵の磁器。
五彩手(通称九谷五彩)という色鮮やかな上絵付けが特徴である。
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Wikipediaより
窯ごとに画風の特徴がことなりますが、江戸時代初期に始まったと言われる古九谷は豪快で大胆な図柄や
緑、黄、赤、紫、紺青の五彩で施される鮮やかで重厚な上絵付けが特徴。
家にあった九谷焼は、先日99歳で他界した祖父が集めていたものの一部。
青九谷、青手などと呼ばれる吉田屋風の絵付けのものが多かったように思います。
石川県小松市に暮らしていた祖父はとにかく九谷焼が好きで、祖父の家は九谷焼の器であふれていました。
なかには骨董品として価値があるものもあったのかもしれませんが、
私や家族にとってはそのまますべてがただただ祖父の家の風景。
九谷焼は小松市の伝統工芸であり、美術品だけではなく日常使いの器にもたくさん取り入れられていて、
一般市民にとってもなじみ深いものだったのでしょう。
伝統や文化が日常に溶け込む暮らしってこういうものだよな。
と、そういった歴史が少ない北海道に生まれ育った私には少し眩しい思いです。
プロフィール
ライター・エディター
小山佐知子氏
北海道で生まれ育ってそろそろ40年。北海道以外の土地で暮らしたことのない、生粋の道産子です。海と山に挟まれた人口5000人の極田舎出身で時代の流れについていくのにやっとです。