薔薇が目を覚ますでしょ!
「人体のリズムと天体のリズムのバランスをとることで、人間はより良くいきいきと生きることができる」
これは人智学者ルドルフ・シュタイナー(1861〜1925)の言葉です。
ドイツが“オーガニックコスメ大国“と呼ばれる理由は、「ヴェレダ」と「Dr. ハウシュカ」という2大ブランドが、ルドルフ・シュタイナーの思想に影響を受け生まれ、発展していったことにあります。
シュタイナーのいう「リズム」とは生命界にあるエネルギーの流れのことを指すそうです。
1日を見てみても、夜が開けて朝日が昇ると気温も上がっていくように、私たちは闇から光、寒さから温かさへと常に変化するエネルギーの流れの中に生きています。
そして、このリズムは私たちが体内にも持っており、月の周期といった天体の動き(リズム)と関連を持っているように、自然界のリズムに沿った生活が(健康など)調和をもたらすというのがシュタイナーの考え方のようです。
つまり、記述した2つのメーカーは、単に有機栽培による植物を使ったオーガニックコスメを作るブランドではなく、より総合的な思想理念を実現しようとする会社であり、例えば、農法も「バイオダイナミック有機栽培」という植物本来の力や大地のエネルギーを最大限に引出す農法を行っています。
バイオダイナミック有機栽培では、いつでも植物を摘んでいい訳ではありません。
朝日が昇った後に花を結ぶ植物は、開花直前という花が一番力を蓄えた瞬間に摘み取ることでパワフルな化粧品をつくることができるんだと、自社のハーブ園を案内しながらDr. ハウシュカのプレス担当の方(キレッキレの女史)は、教えてくれました。
種まきから摘み取りまで、全ての植物やハーブがこのリズムの法則に沿った育て方をされているので手間(愛情)のかけ方も半端ないと思うのですが、コスメの製造法もこれまた「こだわり」がてんこ盛りでした。
製造場には、大きな樽の中に蒸留水につけられたおびただしいバラの花が安置されていました。
このバラに光と闇、寒と暖、静と動といったリズムを10日間施すことで、合成保存料を使用しなくても腐食することがない精油を抽出できるそうなのです。
このDr.ハウシュカが開発した独自のメソードにびっくりした自分が思わず「ホントですか?」と感嘆の声を上げた時です。「シ〜〜〜!」プレス女史が口に手をあてて言いました。「バラが目を覚ましてしまいます」
バラ様はちょうどその時「静」のお休みになっている時間だったみたいなんです(笑)
良くも悪くも衝撃的な体験に、自分の頭には「ドイツのナチュラルコスメは信頼できる」とのイメージが刷り込まれたのでした。