アウトサイダー
東京
編集ライター
海外暮らしと帰国してから
Joshy氏
10代の頃、コリン・ウィルソンの『アウトサイダー』が流行り、夢中になって読んだ記憶があります。
アウトサイダーとは、社会秩序の中にあることをみずからの意志で否定している者のことだと著者コリン・ウィルソンは定義しています。
自分は子供の頃から、人とは違うことに関心を持つタチで、学校やグループの中にいてもいつも「場違いな感じ」を受けていました。みんなと一緒に楽しみたいのに、どうしても集団に帰属できないことが悩みだったので、『アウトサイダー』の中になにか答えがあるかもしれないと思ったのでした。
どうして自分はこうなのだろう?ということに対する答えは得られなかったけれど、世の中にはアウトサイダーという存在があり、それは必ずしも間違ったことではないという認識を持てたことが、当時の自分には大きかったです。
日本を飛び出して、20年間ヨーロッパで生活した時と帰国してからの今の自分。様々な社会に身を置いても、帰属できない思いを持ち続けていますが、様々なシチュエーションで湧き出す違和感や不条理さ、自分への考察が表現することに繋がっていたように思います。
現に、このクリエイターズ・アイで文章を書くようになって、「自分のことも含め、当たり前のことがそうではないということもある」ことを伝えることがモチベーションのひとつになっていることに気づきました。
アウトサイダーであることが創作の源であるとコリン・ウィルソンが言った言葉が、30年以上たった今やっと理解できるようになったのでした。
プロフィール
編集ライター
Joshy氏
ヨーロッパに20年滞在し、日本の雑誌に情報を発信。海外生活で経験したこと、帰国してから感じたことを綴っていきます。