弁当、をかし!
最近は飲食店さんからテイクアウトメニューが続々と登場していますね。
いろいろ食べ比べたり、家では食べられない味を手軽に楽しめて、食事は自粛生活の中で数少ないリフレッシュの瞬間になっています。
というわけで、本日の日本文化は「お弁当」!
世界中からも「BENTO」といわれるほど、日本の食文化の一つとして確立されているお弁当。
「携帯食」としては、日本書紀にも載っているご飯を乾燥させた「糒(ほしい)」や、今のおにぎりにつながる鎌倉時代の「屯食(とんじき)」などがあります。
お弁当箱的なものは、お花見や紅葉狩りのときに持って行く上流階級の贅沢品「提重箱」(4~5人分の酒の肴や酒器などが入る重箱)から始まり、安土桃山時代に一人分ずつの食事を携帯するようになったとか。
今でいう「曲げわっぱ」のルーツである、一人前ずつ飯を盛って配るのに用いた曲げ物の食器である「面桶(めんとう・めんつう)」や、「好都合」「便利なこと」を意味する中国南宋時代に作られた造語「便當(べんとう)」が、弁当の語源といわれています。
江戸時代以降は文献が多く残されており、芝居見物の幕の内(芝居中の幕が下りている間)に食べる「幕の内弁当」や、大名が江戸の上屋敷に登城する際にも「御登城弁当」を用意したそうです。
そして現在に続くまで、ご当地色が出ている駅弁や空弁、キャラ弁、高級なのり弁など、お弁当は止まることなく進化を続けています。
欧米だとサンドイッチとりんご!とかダイナミックなものが主流らしいです。
お弁当開ける瞬間のワクワクや(結局前の日の残りものだったりするんですが)、最後にどのおかず残しておこうとか、あの一つの箱に入っているだけで、ぐっと生まれる食事の新しいエンタメ性。
美味しいものがちょっとずつ入っている構成、ミニマムな美(?)を作るのは、日本人が得意としているところかもしれませんね。