まるで「だまし絵」のように幻想的な絵から読み解くメッセージ。
「オラクルカード」というのをご存知ですか? おそらく「タロットカード」は、占い好きじゃなくても名前は聞いたことがあるという方が多いでしょう。「タロットカード」は、とても歴史が古く、起源は中世ヨーロッパとも言われており、占星術として一定の法則の元に78枚で構成されています。
一方、「オラクルカード」は、メッセージカードのようなイメージ。「オラクル」というのは「神託」という意味で、スピリチュアルな印象がするかもしれませんが、今の自分に必要な「天からの言葉」のような感じですね。今回「オラクルカード」に着目したのは、何と言っても絵柄の美しさ! このアーティスティックな表現を多くの人に知っていただきたいと思ったからです。
日本で創られたものもありますし、世界でも何千という種類の「オラクルカード」がありますが、モチーフが天使、女神、ユニコーンなど、テーマに合わせて非常に多彩です。それぞれに「人生の転機」「愛とパートナーシップ」「もっと勇気を持って人生を切り開くために」…など、ひとつの明確なコンセプトがあります。枚数は44枚でワンセットというのが一般的ですが実際は様々です。
写真でご紹介しているオラクルカードは、私が持っている「ウィスパーオブラブ」という名のカードですが、まるで絵画のような色彩が素晴らしいので大好きなデッキです。 「オラクルカード」には、有名なグリム童話の作家が描いた作品などもあり、限りなくアート作品に近い存在だと私的には思っています。
特筆すべきは、添付されているガイドブックのアドバイスだけではなく、彩り豊かなビジュアルから「メッセージを読み解く」という行為が、絵画を読み解く図像学に酷似しているというところ。博物館学や美術史を勉強していた人ならピンと来るかと思います。
絵をよく見ると、人物以外の風景や背景に、部分的にもう一人の人物が描かれていたり、女性の髪に羽や鳥が描写されていたりします。見過ごしてしまいそうなところにもう一つのストーリーがあり、まるで「だまし絵」の世界観。絵を読み解くことは、クリエーターとして感性を磨きイマジネーションをかき立てるヒントになります。自身の迷いやスランプにも、メッセージをくれるのもうれしいです。オラクルカードは色々なインターネットサイトでも販売されていますし、書店やイベントのカードフェアでも購入できます。ぜひ、お試しあれ!
写真:「ウィスパーオブラブ」著者 アンジェラ・ハートフィールド 絵 ジョセフィン・ウォール