メディカルハーブ、学び方で迷う
Vol.2
編集者・シニアハーバルセラピスト
メディカルハーブライフ
二橋彩乃氏
(前回まで)
家族の病気や介護、自分自身の体調不良を経て、健康の大切さを実感。
自然療法を調べるうちに、メディカルなハーブの使い方に興味を持つ。
ハーブの資格に興味を持った人がまず迷うのが、
「どの資格(検定)をとったらよいのか」だと思う。
ハーブを、趣味として料理や栽培で楽しみたい人向けの講座もあれば、
サロン開業に向けてノウハウまで伝授する講座もある。
スパイスとともにハーブを学ぶ資格もあるし、
ハーブの作用の一つ「メンタル」に注視した検定もある。
もっと深く踏み込んで、
大学で教えられるレベルの知識とスキルを有するハーブの指導者を目指す資格もある。
私の場合は「メディカル」から興味を持ったので、ある程度絞り込まれてはいた。
それでも、学び方、アプローチ方法はいくつもあった。
いざ資格を!スクールへ!と思い立ってからも、その幅の広さに迷いが出てきた。
スクールも、趣味ではなく、仕事にも生かせるようなサポートがあるか。
かといって、資格取得や就職支援のためだけではなく、
哲学や思想がきちんとあるか。
植物のプロとして、どんな講師がいるのか。
石橋を叩きまくっても渡らない性格が災いして、
請求したスクール資料の山ができていくばかりだった。
どのスクールの資料も(webサイトも)、ビジュアルがとても華やかだった。
光の反射でキラキラと輝くガラス製のカップに入った、色とりどりのハーブティー。
講師陣は美しいガーデンやグリーンを背景に、素敵な笑顔。
当時、書籍編集者として、文字ばかりの本をメインに制作していたので、
色彩豊かなハーブのビジュアルや、余白が素敵な資料のレイアウトを眺めては、
ただただ癒されていた
(つまり、もたもたして、具体的に動いていなかった)。
そんなある日、帰宅途中の駅でハーブ専門店を見つけた。
さっそく、店員さんに学び方を相談してみた。
「そういえば、今度、検定試験がありますよ」
レジ横のパンフレットを、すっと差し出された。
検定試験の日程を見た。
申込締切日まであと2日、試験日までは残り3週間だった。
(続く)
プロフィール
編集者・シニアハーバルセラピスト
二橋彩乃氏
2つの出版社でデザイン、アート、生活実用など多ジャンルの編集経験を経て、独立。独立後の仕事に『マンガで実用 使える禅』(編集・執筆/朝日新聞出版)、『美術館&博物館さんぽ 首都圏版』(編集制作/ぴあMOOK)、雑誌「セラピスト」(取材・執筆/BABジャパン)など。ハーブの魅力にとりつかれ、ハーバルセラピスト、シニアハーバルセラピスト、メディカルハーブコーディネーターの資格を取得(日本メディカルハーブ協会認定)。