楽しいハーブ&アロマ生活
(前回まで)
家族の病気や自身の体調不良を経て、メディカルハーブに興味を持つ。
「メディカルハーブコーディネーター」の資格を無事に取得。
*
資格を取得する前後から、なるべく1日にとる水分の半分程度をハーブティーにしていた。
約30種類のハーブを常備していたが、日々使ううちにだんだんと絞り込まれ、最終的に
・ローズヒップ(ビタミンCの補給)
・エキナセア(免疫力アップ)
・エルダーフラワー(発汗など)
・タイム(抗菌力)
・カモミール(万能)
この5種類の登場頻度がとても多くなった。
いずれもドライハーブが入手しやすいし、よくブレンドもしていた。
取り入れ方も、ハーブティーはもちろん、ハーブハニー(蜂蜜漬け)、
チンキ(アルコール漬け)、軟膏(蜜蝋と植物油で作る)や、料理でよく利用していた。
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ハーブやアロマなど、メディカルに活用するため家庭に常備する植物をよく「緑の薬箱」と呼ぶ
最初に気がついた変化は、風邪をひきにくくなったこと。
仕事で深夜帰宅が続いた後や季節の変わり目にいつも風邪をひいていた私だが、
いつの間にかそれがなくなった。
また、登場頻度は一時的だったけれど、数ヶ月ほどネトルを飲み続けたところ、
薬に頼り続けてきた花粉症の症状が、薬を飲まなくてもやり過ごせるほどになった。
(ネトルのパワーおそるべし)
それから、自然と、同じ植物ケアであるアロマテラピーについても、学び始めた。
最初は、アロマバスから。
その日の気分で香りを選んだり、好きな香りでバスソルトを作り置きしたりすると、
バスタイムが楽しみで、短時間のシャワーで1日を終えることはなくなった。
よく使ったのは、この4つ。
・ネロリ
・ローマンカモミール
・リンデンのチンキ
・ジュニパー
ネロリ以外にも、気分を明るくする柑橘系は、1日の終わりに気持ちを切り替えてくれた。
ローマンカモミールは、心も体も、本当に深く、リラックスさせてくれた。
リンデンのチンキは、足浴でよく使った。
足浴用の大きなボウルに、ウォッカに漬け込んだリンデンと自然塩を入れ、お湯を注ぐ。
リンデンの発汗作用や優しい香りで、体全体がポカポカしてくる。
重度の冷え症だったが、これも、だんだんと改善していった。
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リンデン。やわらかく優しい味と香り。 和名セイヨウボダイジュ
ジュニパーは余分な水分や老廃物などの毒出しが得意なアロマなので、
マカデミアナッツオイルでマッサージオイルを作り、入浴後に足や二の腕をもんだ。
むくみが解消されていった。
こうしてハーブ生活を続けながら体の変化を観察し、自分に合うハーブを探り楽しんでいた。
しかしハーブはシングルでも複数の作用を持つうえ、ブレンドで使用することが多いため、
どのハーブがどの症状に役立ったか、適確に割り出すのは難しかった。
やがて30代になり、同年代の友達や、少し上の先輩、知人の悩みを聞くことが増えた。
仕事のプレッシャーによる不眠、結婚による環境の変化、妊娠や出産、仕事と育児の両立、
慢性的な睡眠不足、婦人科系のトラブル……
たくさんの不定愁訴や不調を抱えながら最前線で働き、毎日を頑張る人たちに会うたびに、
みんな普段は、決して表には出さずふんばっているけれど、
もっとハーブで、その負担を減らせたら、という思いが強くなっていった。
でも、勧めたハーブを数回試す程度では、きっと何も変わらない。
「我慢しすぎじゃない?」「頑張りすぎじゃない?」と、つい言いそうになっては、
言ったところで何の解決にもならないと口をつぐんできた。
経験豊富なハーバリストは、あらゆる植物を試し、使いこなしている。
そんなベテランのハーバリストだったら、なんてアドバイスするんだろう……?
もっと深く学びたい……
こうしてハーブの深みにハマって(資格認定団体の思うツボ)、
「メディカルハーブコーディネーター」から、さらに「ハーバルセラピスト」という上位資格へと、関心が深まっていくのだった。
(続く)
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