お祭りは、大人こそ楽しむもんだ
沖縄県
ライター
沖縄あれこれ
仲濱淳氏
大きな台風が過ぎて、沖縄もだいぶ秋めいてきた。この時期から多くなるのが、屋外でのお祭りや催事。私が特に興味を持って訪れているのが、伝統的なお祭りだ。
私の生まれ育った埼玉県の新興住宅街は、街並みは小綺麗ではあったが、古い文化や芸能は皆無。風情ある場所というのが、全くない。その反動からか「伝統」というワードに強い憧れがある。そんな私が今住んでいる場所は、嬉しいことに首里の近く。戦争のせいで建物などのハード面はあまり多くは残っていないものの、伝統や文化は、しっかりと人々の生活に息づいている。
先日の十五夜に行われた「首里汀良町の十五夜獅子舞」。住宅街の小さな公園も、この日ばかりは人がすし詰め状態。露天も賑やかで、地域の人に親しまれていることがうかがえる。
沖縄の獅子舞は本土のものとだいぶ様子が違う。獅子の体全体がふさふさの毛で覆われていて、けものっぽさが強くて、結構リアルでおどろおどろしい。だからこそ面白くて、まるでお芝居を見ているような臨場感がある。ガンガン響くドラの音、激しく舞い、睨みを利かせる獅子の姿。これは、子供より大人の方が断然楽しめる。みんなビール片手に、獅子舞とドラのリズムに合わせて、ほろ酔いの体を揺らしていた。
プロフィール
ライター
仲濱淳氏
雑誌・WEBマガジン編集職を経て、3年前よりフリーランスライターとして沖縄県で活動中。アラフォーだけどいつまでも厨二病が抜けないのが悩み。