首里城の事
沖縄県
ライター
沖縄あれこれ
仲濱淳氏
首里城の近くに住んでいて、この話題に触れないわけにはいかない。
先週大変悲しい出来事があった。首里城の火災だ。
朝の4時ごろ、けたたましいサイレンの音と、防災警報の音で起こされた。
首里城で火災が発生しているというのだ。
ゾッとした。しかしその直後に「ボヤでしょ」と、なぜか軽視していた。
しかし。
ベランダの外を見てみると、もくもくと上がっている煙。
家の中にまで充満してくるキナ臭さ。
これはただ事ではないと思った。
しばらくすると、沖縄の新聞のラインニュースから、速報が流れてきた。
首里城が燃えている動画が。
その後は当然眠れるはずもなく、
不安を抱いたまま朝を迎えた。テレビをつけると、どのチャンネルもこのニュース。
子供が通う小学校は、首里城の隣りだ。
その日予定されていた授業参観はなくなり、登校時間は遅くなった。
子供は元気に登校したものの、家に残った私は仕事がなかなか手につかない。
別に首里生まれでも育ちでもない。外様ナイチャーの私でも、
毎日目にする首里城がなくなったことがショックで。
ここに住み続けている人の悲しみは計り知れない。
火災発生から一週間が経った今、まだ原因や全貌は解明されていない。
子供が大人になる頃には、またあの美しい姿が見られるのだろうか。
真新しい首里城でいい。あそこに、あの城があること。
それが、沖縄に住む人にとって、大事なことなんだ。
プロフィール
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ライター
仲濱淳氏
誌・WEBマガジン編集職を経て、3年前よりフリーランスライターとして沖縄県で活動中