沖縄県
ライター
沖縄あれこれ
仲濱淳氏
もう今年も残りわずか。師走も師走な12月25日、沖縄の気温は25度。ポカポカ暖かくてアイスコーヒーが美味しく感じるのだから、今日がクリスマスイブと言われてもピンとこないわけだ。
しかし何が一番師走っぽくないって、この陽気もさることながら、どこにでも咲いている鮮やかな花や草木ではないかと感じる。例えば先日取材で行った山奥。山なんてこの時期、寒いはずじゃないか。なのにここは、雨に濡れてつやつやと輝き、生い茂る亜熱帯の植物のパラダイス。蝶々が舞っているし、蚊がブンブン飛んでいる。ほとんど夏の陽気である。
沖縄に住み始めてまず驚いたのが、沖縄の植物が一年中元気なこと。雨風にビクともせず生命力をみなぎらせているのだ。この時期、一応沖縄でも各所でイルミネーションをやっている。が、そのイルミネーションに照らされているのは、緑緑した木々。枯れ木なんてほとんどない。クリスマスツリーの背景は、すっくと立つ元気なヤシの木なんてことも。
本土の、冷たい北風に吹かれた弱々しい枝たち。見るだけで寒くなるような、枯葉たち。寒いのが嫌いで沖縄に移住したくせに、この時期だけはあの寒さが、ちょっとだけ懐かしい。あの肌を刺すような空気に浸りたくなるなんて。でも、そんなことを思いながら年末帰省したら、沖縄の暖かさが、すぐ恋しくなるくせに。
プロフィール
ライター
仲濱淳氏
雑誌・WEBマガジン編集職を経て、3年前よりフリーランスライターとして沖縄県で活動中。アラフォーだけどいつまでも厨二病が抜けないのが悩み。