焼き鳥、をかし!
今や、海外で日本料理として認識されてきている「焼き鳥」。
ルーツを探るとその歴史は、なかなか複雑。仏教の教えもあり、676年、時の天皇・天武天皇が牛・馬・犬・猿・鶏・猪を食べることを禁止。鶏には家畜の役割もあり、あまり食べられることは少なかったようです。
最初に歴史の書物に焼き鳥らしきものが登場するのが、平安時代の書物に書かれている「鶏焼物」という料理。しかし、ここで出てくる「とり」は鶏ではなく、キジやカモ、スズメなどが主な「焼き鳥」でした。
鳥の串焼きスタイルは室町時代頃に始まったようですが、でもこれも野鳥で作られていました。
その後江戸時代に今の焼き鳥の原型である鶏を串に刺した料理が現れ→明治維新から日本でも肉食が広まり焼き鳥の屋台が誕生→大正から昭和にかけて固定店舗や高級焼き鳥店も現れる→昭和30年代にアメリカからブロイラー(短期間で肥育できる若鳥)が導入されて、一気に大衆化されたのです。
大きく分けると江戸時代以前の小鳥を食べる「焼き鳥」と、肉食が許されて広まった鶏はもちろん豚・牛なども食べる「焼き鳥」で、大きく概念が変わっているようですね。
ちなみに「ねぎま」の名前の由来。
私はてっきり「ねぎが肉の間に挟まって焼いているから『ねぎの間=ねぎま』」だと思い込んでいたのですが、実は語源は全然違うんです!
江戸時代にねぎとマグロを一緒に煮た人気の鍋料理があり、それが「ねぎま」と呼ばれていました。その後、簡略版としてねぎとマグロを串に刺して炙り焼きにした「ねぎまぐろ」が登場。
ねぎまぐろも人気となったものの、マグロが値上がりし高価な食材と化してしまったため、マグロの代わりにキジやカモなどの鳥肉を使って焼いたことから、焼き鳥としての「ねぎま」が誕生した、というわけなんです。
愛媛の四国中央市には、揚げた鶏肉を「やきとり」と呼ぶエリアがあるそう。
▲こういう焼き鳥丼を食べられるお店に興味あり(多分新潟にない)
日本の食文化も、いろんな面白さがありますね。
それでは、美味しく日本の食を味わいながら、あっつい夏を乗り切りましょう!
かんぱーい!