自分のなかの常識は他人には常識ではありません
自分のなかでの常識が、他人には通用しないときってあるますよね。
「これは、こうするのが当たり前なのに」
「そんなのはこれが当たり前でしょ」
と思っていても、それが他の人にとっては当たり前ではない場面ってたくさんあります。
そんなとき、とても歯がゆい経験をされている人も多いことでしょう。
私が大きくそれを感じるのが、趣味である登山です。
初めて山登りをした時は、今のように山登りがローカルになり始めたころでした。
10月半ばで街では長袖シャツ1枚でちょうどいいか、日中は少し暑いくらいの時期です。
そのころの私は、山の上は少し涼しい程度にしか考えていませんでした。
初めて登る山は標高が1800m近くで、ガイドさんを付けての登山です。
事前にガイドさんと集合場所や持ち物、歩くルートなどの打合せなどをしたときのことでした。
半ズボンではなく登山用の長ズボンと速乾性のあるシャツを着用して、フリースとダウンジャケットを持参して欲しいと言われます。
当時の私のなかでの山登りファッションといえば、ネルシャツに半ズボン、レギンスといわゆる“山ガールファッション”を想像しており、そういった格好をしたかったのです。
それを伝えたところ、ガイドさんにその格好は絶対にやめてくださいと叱られて私はムッとしてしまいました。
今思うとガイドさんは参加する人の命を預かる人なので、当然の叱りだなって思います。
というのも、標高が100m上がるたびに0.6℃気温が下がります。
当時登った山は標高が1800mなので、単純に計算すると街よりも10℃前後は温度が低いことになります。
つまりは山頂付近での気温は15℃ないくらいの温度です。つまりは街では冬の気温と同じくらいの気温ですよね。
これはあくまでも晴天で、風がまったく吹かないという絶好の条件でのことです。ここにもし、風が吹くと体感温度は10℃を下回るものにもなります。そんな状況で半ズボンですと、場合によっては低体温症にもなりかねません。
自分の中での常識は、ときにはそれが間違っている場合があります。
「なぜ?」を感じる場面があったときには、他人を一方的に攻めるのではなく一度その人がどうしてそうするのかなど、聞いてみたり考えてみたりするといいでしょう。
自分のなかでの常識がじつは、常識ではないってことを実感するかもしれませんよ。