〈濃厚接触者〉に指定されました その4
今流行の新型コロナウィルスに感染した人と会食(仕事の打ち合わせ)をしていたばかりに、〈濃厚接触者〉に指定されてしまった僕。 PCR検査を受けさせることにあまり積極的ではない保健所と、一刻も早くPCR検査を受けて、白黒はっきりさせろと会社からは急き立てられて、その板挟みになってしまい、困っていました。 そんな時、保健所での検査ではなく、協力してくれている民間の病院でなら、今から30分以内にその病院に行けば、PCR検査を受けられますという電話連絡を保健所から受けたので、必死で駅前のタクシー乗り場まで走りました。 運良く、客待ちのタクシーがあり、飛び乗ると「○○病院まで」と、運転手さんに告げました。そして、無事、2分前に○○病院に到着。そして指示通りに、裏にある救急の搬送口の方に回り、保健所から教わった番号に電話をかけました。 「保健所から言われてPCR検査を受けに来ました」 そう言って名前と生年月日を告げると、そのまま外で待っていてくださいと言われました。そこは駐車場にもなっていて、パイプ椅子が5メートル間隔で3つ置いてあり、その一つに若い学生のような女性が座っています。15分ほど待たされた時、やっと完全防護の格好をした女性が出てきて、書類を示し、必要事項を書き込むようにと指示されました。 それから10分後、今度は同じように完全防護服の男性がやって来て保険証を要求。差し出すと自分でビニール袋に入れるように指示し、入れるとそのまま病院の中に戻っていきました。 その2人の格好といい、態度といい、まるでバイキン扱いです。ちょっと不愉快になりましたが、「こんなものか、仕方ないよな」と諦めの気持ちに包まれます。 それからさらに10分後。さらに完全防護の女医さんが出てきて、屋外に設置された〈急速換気ユニット〉の中に入るように言われます。その女医さんは明らかに不機嫌で、前の2人以上に、こちらをバイキン扱いです。 「そこにカバンを置かないで!」 「こっちを向かなくていいから」 なんて人として扱われないまま鼻の穴に綿棒を突っ込まれ、検体を採取されました。そして、不愉快な気分を引きずったまま、不安な一夜を送り、翌日の夜、電話で検査結果を告げられました。 「陰性です」 おめでとうございますもなにもありませんでしたが、ホッとしました。その検査結果を証明する用紙は、郵送は無理と言われ、さらにその翌日に、またタクシーに乗ってわざわざ取りに行き、それを持って無事、職場に復帰することができたのでした。めでたし、めでたし。 皆さん、こういった具合に〈濃厚接触者〉になっただけでもこんなに面倒臭くて大変ですから、くれぐれも感染には気をつけましょう。