頭痛の痛い話
校正作業に携わることで、「重複表現」を以前よりも発見できるようになりました。
重複表現とは、有名なものだと「頭痛が痛い」や「馬が落馬する」などが挙げられます。
つまりは、同じ意味のものを並べた言葉遣いのことです。
文章って実は削れば削るほど綺麗になるものでもあるので、私自身もなるべくこの重複表現には気をつけていきたいところです。
しかし、この重複表現を試しにいろいろと調べてみると、日本語って本当にトラップだらけだな……と頭を抱えました。
私も気付かぬ内に使っている可能性が高いです。
そして、そんな間違えた言葉遣いを見ているうちに、この重複表現だらけで文章を作ったら面白いのでは……
という好奇心が。
というわけで、ありったけの「違和感」を組み込んだ文章を以下、作成してみました!
『内定が決まった。出勤日はまだ未定とのこと。その会社は先月、一番最初に面接を受けた会社だった。
しかし、少しばかりの違和感を微妙に感じる。
はっきりと明言はできないが、約1センチ程度の薄暗い暗闇のような塊が脳の片隅の奥に残るような、そんな感覚を感じている。
やがて私は元旦の朝、不吉な初夢で目覚めたことを思い出した。
その夢の中の私は、まずはじめに、今のバイト先で断トツ一位で美人の女性と、予め予約した小洒落た飲食店に来店していた。
彼女とはもう既に深い仲であり、今すぐに、たちまちに挙式を挙げようなどとの会話を口にしながら盛り上がっていた。
しかし突然、店内の明かりが全て消灯し、停電した。
やがて、明かりは点灯する。するとどういうわけか、店内から約過半数を超える人間が姿を消失させている。彼女もまた、いない。
……そうだ。あの日の面接会場には、そんな虚無に包まれる被害を被りそうな、不気味な不吉さがあった。そう思うと同時に、私は頭痛の痛みを訴えた。』
この中に、20個以上の重複表現を含ませています……
これはこれでクセになる文体で、嫌いじゃないなとふと思いました(笑)。
暇つぶしにでもぜひ、探してみてください!