博多百年蔵『小さな酒造開き』に行ってきました

福岡
ライター
kousaka
香坂

日本酒が好きだ。

というか言ってしまえばお酒全般好きなのだが、中でも日本酒と焼酎には特別な愛情がある。なぜか?単純に自分にとって飲みやすくて味が好きで、かつ身体にも合うからです。身もふたもない。

そんな個人的な話はさておき、4月某日、同じく酒飲みである学生時代の友人が『博多百年蔵』で行われる蔵開きに誘ってくれた。博多百年蔵は石蔵酒造という地元の造り酒屋が所有する建物で、国登録有形文化財にも指定されている。趣溢れる会場で、フリーの日本酒飲み放題。これは行くしかあるまい、と二つ返事で了承した次第だ。

 

会場に着くと、立派な瓦屋根に彩られた白壁の百年蔵がそうそうたる存在感を発揮していた。あまりの重厚さに怖気づきそうにすらなったが、入り口に行くとスタッフの方が温かい笑顔で迎えてくださり、間違いではなかった、と安どする。

画像引用元:博多百年蔵(石蔵酒造)公式サイト(https://www.ishikura-shuzou.co.jp/)

 

しかし、中へ入って再び驚いた。予約制とは聞いていたが、何とそれぞれに個別のテーブルと座席が用意されていて、まるで食事会のような雰囲気を醸し出していたのだ。プチ蔵開き、とはこういうものなのか。手厚い。手厚すぎる。

席には前菜と日本酒に合わせて使用する美しいグラス(盃)、食前酒が並べられ、開式の挨拶とともに乾杯が行われた。元々1杯目だけはビール、というタイプなので急に酔いが回らないかやや不安もあったものの、シャンパングラスに注がれたスパークリング日本酒(あわゆら、という名らしい)はしゅわしゅわと品よく胃に収まり、料理に花を添えてくれる。

 

和やかに会食が進む中、私は密かに考えていた。

 

“――それにしても、フリードリンクってそんな好き勝手頼んでいいんだろうか――”

 

卑しい話だが、この空気の中飲みまくっていいのかな?という心配である。だが、そんな懸念は早々に打ち破られることとなった。

何と各テーブルに、次から次へとメニューにある日本酒の1合瓶(多分)が提供されていったのだ。え、これ全部?いいんですか?本当に?

 

私たちのテーブルは3人席だったが、それでもたっぷり満喫できるくらいの量だった。しかもこまめに注文を聞きに来てくださるので、つい他の気になるお酒も頼んでしまったりして。あまおうスパークリング、瑞々しくてとっても美味しかったなあ。同じ酒造、同じ日本酒、同じように芳醇な香りでも銘柄によってまったく味わいが違うのを感じるたびに、お酒もまたクリエイティビティの賜物なのだと思い知らされる。

 

会場は通常貸しホールとしても利用されているようで、高い天井に太い梁、あたたかな照明…と何ともモダンな空間の中、美味しい料理とお酒に舌鼓を打てる幸せなひとときだった。

席番号で当たる抽選会やお土産などもあり、さすがに太っ腹すぎませんかと涙しつつ、近々必ず荷物に不自由しない時にお酒を買いに来よう、と決意する。

 

――ちなみにこちら、夏は「冷(ヒヤ)ガーデン」なんてイベントも開催されるらしいですよ。今夏も予定どおりお知らせされたなら、日本酒好きの皆さん、ぜひお気に入りの1杯を見つけに来てみませんか。(私もきっとそこにいます)

 

【博多百年蔵(石蔵酒造)アクセス】

所在地:〒812-0043福岡市博多区堅粕1丁目30-1

駐車場:マイカー15台・バス2台

交通アクセス:地下鉄「千代県庁口駅」より徒歩約7分/「千代町」バス停より徒歩約7分

(タクシーなら博多駅から5分、天神駅から10分程度)

プロフィール
ライター
香坂
オリジナル会葬礼状のライター業を経て、現在はWEB系のフリーライターとして活動中。漢字とひらがなのバランスに悩むのが好き。仕事におけるモットーは「わかりやすく、きれいに」。趣味はお酒・アイドル・展覧会鑑賞・化粧品・創作。

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