コタツから国会図書館めぐり
まだペーペー(死語かな最近聞かない)の35年くらい前、先輩から
「ちょっとオマエ国会図書館へ行って資料を複写してこい」と言われ永田町へ出かけたことがありました。
国会図書館ってちょっと変わっていて中へ入っても本が並んでいるわけではないのです。
昔の映画に出てきそうな重厚なロビーと受付カウンター、それから申請書を書くためのテーブルが並んでいる。
利用者は目当ての本の閲覧を申請して奥から持ってきてもらい、複写が必要と思えばその部分を選んで
複写カウンターというコーナーに行ってコピーを取ってもらい受け取る、という感じ。
そもそも国会図書館の目的が本とふれあうとか一般の図書館とは違っていて「日本で出版された本の保存」なので
気軽に手に取ったり借りて帰ったりは原則できないのですね。
そんなシステムなので当時は「なんかつまんない場所」と思いつつ複写の資料を持って帰りました。
…ですが、最近はだいぶ変わってきました。
スマホから国会図書館へアクセスしてタダで本が読めるのです。私は不覚にも昨年まで知らなかったのでご紹介します。
このサービスは『国立国会図書館デジタルコレクション』と言い、2022年の5月から始まったサービス。
それまでは国会図書館(東京と大阪)に出向かなくては見ることのできなかったデジタル化資料約150万点以上(数字は2022年4月時点)を
パソコンやスマホから見ることができるようになっています。
国会図書館はかなり以前から膨大な蔵書をスキャンしてデジタル保存する取り組みを続けていますが、ようやくその一部を一般公開できるようになったわけです。
150万点の内訳は、図書が昭和43年までに蔵書となったもの約56万点、明治期以降の貴重書等や清代後期以降の漢籍等が約2万点、雑誌は明治以降に発行された約1万タイトル(約82万点)などなど。
さて、サービスにフルに利用するためには事前の利用者登録(オンライン可)が必要ですが、まずはちょっと“試食”してみようではありませんか。
利用者登録をすることなく、すぐに閲覧できる本もたくさんあります。
では“試食”です。『国立国会図書館デジタルコレクション』へアクセスしてみましょう。
左上の「ログインなしで閲覧可能」にチェックを入れたら、キーワードに「広告」と入れてみます。
画像は1940年に刊行された「日本新聞広告史」。貴重な戦前の広告集、かなり面白いです。
そしてもうひとつ、サクッと見るだけでとても楽しいやつがあるのですよ。インターネット上の美術展覧会と言ってもいいこちらのサイト。
『国立国会図書館サーチ NDLイメージバンク』と『NDLギャラリー』。両方ともログインなしで閲覧できます。
『国立国会図書館 NDLイメージバンク』のサイトはこんな感じ。いろいろな作品がテーマ分けされて見やすくまとめられています。
デザイナーの人は色使いとか構図とか、うれしいんじゃないかしら。
まだまだ寒いですからね、次の休日はコタツから国会図書館を楽しんでみてください。
メイン画像の出典:東京名所2より 根津神社 (https://dl.ndl.go.jp/pid/2592127/1/5/)
本文中の画像の出典:国立国会図書館「国立国会図書館デジタルコレクション」(https://dl.ndl.go.jp)
本文中の画像の出典:国立国会図書館サーチ「NDLイメージバンク」(https://ndlsearch.ndl.go.jp/imagebank)
![](https://www.creators-station.jp/wp-content/images/2020/03/8a7aecd8f824242d00791862e3b5ba6e.png)