風が吹いている

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Tohku
桃空

どの文字を使うかはセンスで決まる!?

お天気が変わりやすい季節

あっという間に2019年の後半になってしまったと思ったら、もう9月も終わりかけて、来年の新年の展覧会用の大きな作品を書く時期がやってきてしまいました。

(その話は次回にするとして)今日は篆刻のお話。

篆刻の師匠にお会いする前にザーッとひと振りきてしまい「神田近江屋菓子店」にて一休み。

大好きな苺のケーキを食べ、ドリンクバーで雨の止むのを待ってから篆刻の教室に向かう。

篆刻を始める前はいつも釈文を考えます。

そしてそのあと文字を決めるのです。

辞書を見ていると楽しくてキリがありません。

その楽しさは何か。

自然の中の物や事を、人の手で伝えるために、絵から文字へと変わっていく途中の感じが、なんだか温もりがあって、辞書を見ていると飽きません(どなたかわかっていただけますでしょうか・笑)。。。

文字の線の空間の空き具合で印の「景色」が決まります。

そのために懸命にその辞書から文字を選ぶわけです。

昔の文字は種類が豊富。

辞書の写真は全部「嵐」「風」など「几(かぜがまえ)」のページです。

見ればお分かりの通り、それぞれに一つの文字で終わっていません。

地方や細かい国などによって使っていた文字が微妙に違っていたからです。

辞書はそのことも同時に示しています。

私たちが何気なく使っている文字のひとつひとつにこんなに沢山の文字があるんです。

篆刻の楽しさはまず、ここにあります。

どの文字とどの文字を組み合わせたらかっこいいのか。

そのかっこよさとは一体何か。

小さな宇宙にどれだけ多くの情報を詰め込むか。

文字はデザインのようでもあり、それは書く、用いる人のセンスが問われる訳です。

だからこそ気が抜けないんですね。

篆刻作品は。師匠のつくる作品を目の前にして、いつも唸ってしまいます。

線質の強さ、揺るぎない線は細く細く削られて美しい線(朱文字)になる訳です。

立ちあがった木や石のエッジは鋭く文字を浮き上がらせます。相手が石や木には見えないくらいです。

いつもあのように彫ってみたいなと、中村蘭台一門展に出しているのですが、成長しているのだろうか。。。

・・・と、いつも疑問です(苦笑)。

プロフィール
書道家
桃空
書道を教えたり、書道や詩を書いたりして過ごしています。研究家であり文筆家でもあります。

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