悪役の魅力
シナリオスクールに通っていた頃、私は先生から口頭で貰った作品の感想で、印象的だった言葉があります。
「……ほんとに嫌な人を描くのが上手ねぇ」です(笑)。
とてもシミジミとした表情をしながら誉めていただけた記憶が今でも鮮明にあります。
例えば嫌な人物って、わかりやすいところだと「悪役」や「宿敵」が挙げられるかと思うのですが、皆さんは悪役、好きですか?嫌いですか?
私は漫画やアニメを嗜むようになった小学生時代から、悪役にもよく同情をしてしまうような子供でした。
悪役には悪役にならざるを得なかったバックグラウンドがちゃんと存在していたり、ただ単に悪いことをしたいというわけではなく、何かの強い信念の元に動く悪役だったり、どこか気弱で共感できる性格をしていたりと、じっくり観察することで様々なキャラクターが見えてくるからです。
「なんでこんな悪いことをするんだ……理解したい……」
そんな風に思ってしまう性格だったので、余計に悪役に注目してしまい、結果、大嫌いにまではなれないということが多かったのかもしれません。
勧善懲悪のセオリー通りに悪役が酷い目に遭った時、「そこまでしなくても……」と思わせることができたらそれはもう魅力的なキャラクターになっている証拠といえますよね。
とはいいつつ、ディズニー作品のようにかなりわかりやすい悪役が酷い目に遭う瞬間については、とてもスッキリできるというのも事実です。
ストーリー面で考えると、やはり後者のスッキリとした勧善懲悪の方が断然に受けはいいと思うのですが、私はこの手の創作をするのが苦手です。
気付くとどうしても、悪役に色をつけてみたくなってしまいます(笑)。
お気に入りの悪役や敵のキャラクターはいますか?
悪い奴なのに、どうしてそう思うのか、改めて考えてノートに書き出してみたら、結構面白い発見があるのでは!