2020.08.15
戦争ジャンルの限界
愛知
事務・web校正・ライター(見習い)
創作のススメ
kaneko氏
8月15日というとやはり「終戦記念日」が頭に浮かび上がります。
中学生になる頃にはもう2人とも他界してしまったのですが、私は戦争を経験した祖父と祖母が同居している家庭で育ちました。
だからといって本人達から戦争の悲痛さや残酷さを聞いてきたかと言うと、いくら思い返してみてもそんな記憶はありません。
小学生の時、「身近な家族に戦争について聞いてくる」という宿題があったのですが、その時の祖父の回答は「戦争は逃げてきた。外国で、箸で豆をつまむパフォーマンスしてお金をもらっていた」みたいな内容だった記憶です。
今思えば冗談が好きな祖父だったので嘘なのか本当なのかはよくわかりませんが、素直にそれを学校で発表して、みんなに面白がってもらえたことまでをなんとなく覚えています。
やがて高校生になり、ドラマや映画をたくさん観て、いろんな物事をごちゃごちゃ考えるようになればなるほど、あの頃もう少し真剣に話を聞いてみたかったなと思うことが増えていきました。
ところで皆さんは戦争映画・ドラマというと何が思いつきますか?
映画・ドラマ好きの方なら必ず3作品以上はすぐ頭に浮かんだのではと個人的に予測します。
そのくらい、「戦争」というジャンルは記憶に残る名作が多いからです。
重いテーマだからこそ軽率な失敗は許されないでしょうし、書く側、撮る側、演じる側の本気や執念みたいなものも感じ取れます。
そして、これからどんどん戦争を知らない人が増えていく中で、戦争の「リアリティ」が薄れずに保たれた作品っていつまで生み出すことが可能なのだろうかと、ふと疑問に。
もしや、いつかどこかで「新たな名作」を生み出すことに「限界」がくるジャンルなのでは……?
プロフィール
事務・web校正・ライター(見習い)
kaneko氏
WEB関係の会社で事務・校正勤務。文章が好きなことから専門学校時代は雑誌編集分野のコースを専攻したり、脚本に興味を抱いてシナリオスクールに通ったり。将来的にはフリーライターを目標に、現在少しずつライティング実績を積むべく奮闘中。