君は〈猫〉なのか? 〈熊〉なのか?
この豆絞りのマスクをしたキャラクターの名前をご存知ですか? 長年テレビのCMにも登場していますから、ほとんどの人が見たことがあるはずです。
正解は、文明堂のマスコットキャラクター「カンカンベア」です。頭に「カンカン」と付いているのは、CMで披露している踊りがカンカン踊りだからだそうです。
カンカン踊りは、「フレンチカンカン」と呼ばれるように、フランスが発祥。1830年頃にパリのモンパルナス地区にあった労働者相手の舞踏場で始まった、二人組み向けのダンスだったようです。
〜♫カステラは一番、電話は二番、三時のおやつは文明堂♫〜のコマーシャルソングでお馴染みのテレビCMが始まったのは、昭和35(1960)年。4匹のマリオネット(操り人形)は、オーストラリア人のノーマン&ナンシーのバーグ夫妻。バックに流れている曲は、フランスで活躍したドイツ人作曲家ジャック・オッフェンバックという人のオペレッタ(オペラ)「地獄のオルフェ(邦題:地獄のオルフェ)だそうです。
テレビの黎明期に始まったこのコマーシャルは、日本中の子供たちを虜にしましたが、問題が起きました。あの白い動物たちは、猫なのですか? 熊なのですか? という質問が殺到したのです。
バーグ夫妻が作ったのは、当時欧米で人気のあった「キャンキャンキャット」という猫のキャラクターをイメージした子猫のマリオネットでした。その証拠に当時は尖った耳をしていますし、最後にバタンと倒れて振るのは長い尻尾です。この長い尻尾と尖った耳が、バーグ夫妻が猫として作った証拠ですが、当時のコマーシャルの担当者は白い熊だと思ったそうで、これが猫なの? 熊なの? の混乱を招いたのだそうです。
写真を見ればわかるように、現在ではキャラクターの耳も熊っぽく丸くなっており、名前も「カンカンベア」に落ち着いているそうです。
職場の近くにある文明堂の店舗の前の「カンカンベア」が、コロナ禍のなか、マスクを付け始めたので、ちょっと調べてみました。