想像力と859円(税込)
みなさん、最後に本を買ったのはいつですか?
白状すると、10年くらい本を買っていません。
コトバづくりを商売とするのに少し恥ずかしいです。
スマホの中の小ネタにこれ以上まみれたらいけない!
そんな思いもあって、先日、久しぶりに書店へ。
筒井康隆の「俗物図鑑」を買い直したいと文庫本を手にしてみると、
お値段859円! たっかー!
本の傑作コピー『想像力と数百円』(新潮社/糸井重里 1984年)の時代は
遠くなかりけり。。。たしかに昔は数百円、300円前後で、ヒマつぶし感覚で
サクっと文庫本が買えたのでした。
ハードカバーに至っては3千円近いものも昨今は珍しくなく。
物価を嘆いても仕方がない。けれど、本はすっかり勇気のいる買い物となっています。
そこで、古本屋。
先日、お気に入りのラーメン店が三鷹へ移転したと聞いて出かけたとき、
こんな古本屋を見つけました。
場所はJR中央線・三鷹駅の北口から歩いて10分少々。
井の頭通りと交わる地元の小さな商店街の隅っこに、看板もない古本屋さんがあります。
お店の人はいません。無人です。ららら無人くん♪ です。
ガラスの引き戸をあけて中へ入ってみると、スチール製の棚に
きれいに整頓された本の数々。冊数は決して多いとは言えませんけれど、たぶん
セレクトされているのでしょう。「君たちはどう生きるか」など
アカデミックな面白本が濃密にいろいろと並んでいました。状態もキレイ。
ユニークなのが支払方法で、ガチャガチャを使います。
本のウラに貼ってある2つのシールの色を見て、たとえば800円の本ならば
300円と、500円のガチャを引きます。
ガチャ玉の中には袋が入っていて、それに本を入れてお持ち帰りするしくみ。
カフェを併設したオシャレ本屋とは真逆とも言える駄菓子屋ライクなこの感じ、好きです。
広さは6畳ほどでしょうか。
10分ほどかけて本を選んでいるあいだ、誰も店には入ってきませんでした。
それにしてもこの感じ、覚えがある。
棚の大きさといい、本の数といい、「誰かの部屋」のよう。
友だちの部屋の留守番をひとりで任されたような不思議な気分も味わえました。
お店の名前を調べたところ「BOOK ROAD」さんという屋号。
ホームページもあったので興味のある方はぜひ!