名前をつけてやる
みなさん、なんて名前で仕事をしていますか。
私は漢字をカタカナに開いただけ。理由はすぐ書き終わるから。ものぐさですね。
先日、いつも寄る新宿のコンビニに若い新人さんが入りました。
女優の吉岡里帆ちゃんを少しクールにしたような横顔が映える美人さん。
そのせいか近所の専門学校の男子生徒に人気の様子で、レジ待ちの列が明らかに
以前よりも長くなっている。めざといな君ら。
前に並んでいる男子生徒二人がひそひそ声で語る
「吉岡さんだって」
会計が私の順番になって、ああ、なるほど。
制服のネームバッジに大きく「吉岡」(もちろん仮名)と書かれていました。
そういえばSNSのアカウントは実名であるべきか匿名なのか、いろいろ物議を醸していますね。
というか、それ以前から、個人名を筆頭とするプライバシーの保護がとても
デリケートな扱いをされるようになっていて、あれからもうかなり長い時間が経っているはず。
だからネームバッジは盲点でした。SNSではなく仕事ですけれど。仕事とはいえ。
さらに、もしやと思い受け取ったレシートを見ると「責 : 吉岡」。
するってぇと何かい? と興味が芋づる式になって止まらない。
仕事場へ戻るなりレシート袋(領収書やレシートを溜めておくビニール袋)をひっくり返してみる。
多くはイニシャルや数字の記号でしたけれど、それでも地元のお店のあっちやこっち、
意外なほどにばっちりといろんな方の本名が印字されていました。3~4割くらいの身バレ率。
仕事の名前をどうするか? 悩んでいる職場って意外と多いのかもしれません。
ことさら「大変だ」と提言する気持ちは今は無いです。無いですけれど、前出の「吉岡さん」の
親御さんはストーカー被害など心配でしょうね、きっと。
でもまあ、何か解決策はないものかヒマなので考えてみましょう。
できれば思い詰めたようなヤツじゃない、ちょっと楽しい解決策はないものか?
あったのですよ。ぼーっと観ていたテレビのニュースにヒントが。
“ 東京都で今日あらたに124人の感染が確認されました。内訳は
「接待を伴う飲食店」での感染が57人~ ”
「せったいをともなういんしょくてん」
これだ。この手があったじゃないか。
古来、日本の水商売において嬢やホストのプライバシーを守り続ける「源氏名」というやつ。
例)「こんばんわ、アケミで〜す」←殆どの場合アケミではない。
この、日本が誇る美しき偽名文化をコンビニやスーパーに導入してはどうだろう?
店員の吉岡さん(女性19歳)は「ジュリエット」、店長の古川さん(男50歳)は「ロミオ」とか。
「チッチ」と「サリー」、「貫一」「お宮」、なんなら「初号機」と「弐号機」でもいいんだけれど。
“ 業務放送、エカテリーナ2世さん、大塩平八郎さん、レジ応援願います! ” なんてのも。
ストーカーを未然に防ぐ効果は抜群。しかも職場がちょっと、
ほんのちょっとだけ、心温まる楽しい空間になりはしないだろうか?
ならないか。
今回のタイトルはスピッツの2ndアルバムからもらいました。
言葉がどこに落ちるでもなくずっと浮遊し続けるこのセンス。憧れます。中身も名盤です。
写真 : スピッツ 名前をつけてやる Copyright © 2020 Grasshopper Co., Ltd. All rights reserved