ラッキーマン
東京
ライター
来た、見た、行った!
かつらひさこ氏
ご覧になった方も多いと思う。
先月、日本テレビ系「金曜ロードSHOW!」にて、映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズが3週に渡って放送されていた。
魅力的なキャラクター達に加えて、タイムトラベルのリアルな演出、散りばめられた伏線を鮮やかに回収していく脚本の見事さなど、大好きな映画だ。
ラストシーンでドクが語る「人間の未来はいつだって白紙ってことさ」というセリフは、いつ聞いても勇気を与えてくれる。
この映画で世界のトップスター入りを果たしたマイケル・J・フォックスは、人気絶頂だった29歳の頃にパーキンソン病を発症。
彼の著書「ラッキーマン」には、全米の人気テレビ番組に出演してハリウッドスターになり、そして病気の発症、アルコール依存症に陥ったあと、家族の支えで病気と自分に向き合っていく様子が書かれている。
「―――この神経系の病気にならなければ、ぼくはこの贈り物の包みを開けることは決してなかっただろうし、これほど深く豊かな気持ちにもなれなかったはずだ。だからぼくは自分のことを幸運な男だと思うのだ。」
(マイケル・J・フォックス「ラッキーマン」)
この本の中には「病気にもかかわらず、ではなく病気のおかげで」という表現が出てくるが、無理矢理繕って言っているものではきっとない。
苦しみ、足掻き、諦め、絶望、そういったものを嫌と言うほど経験したその先で掴んだものがあるからこそできるのだろうと思う。
この本を読んでからマイケルの出演作を観てみると、また違った発見があると思う。
いつまでもお元気でいて欲しいなと思う俳優のひとりである。
プロフィール
ライター
かつらひさこ氏
1975年札幌市生まれ。自分が思い描いていた予定より随分早めの結婚、出産、育児を経て、6年前からライティングを中心とした仕事を始める。毒にも薬にもならない読みやすい文章を書くことがモットー。趣味はクイズと人間観察。