火、風、音の文様
日本には数多くの伝統文様が存在しています。
とりわけ青海波など水に関する文様は見かける事が多く馴染みを感じています。
そこでふと思いました。風や音の文様はあるのだろうか?
今回は文様についてご紹介です!
日本人の暮らしと文様
火の文様
青海波や流水など水に関する文様は、現代でもよく見かけます。日本は島国で昔から水と縁のある暮らしだったから〜という記述をどこかで見かけました。
そうか、島国だから水の文様が愛されているんだな!と単純に思っていたのですが、それを言うなら火も風も音も縁があるのでは?
私が知らないだけで有名な文様があるのかも?と思って手持ちの資料をおさらいしてみました。書籍数冊と家紋かるた300枚ほど確認したのですが、やはりメジャーなのは水です。
火もお寺などで見かける機会がありますが、水のほうがメジャーな印象。
火に関連する文様は火焔(かえん)文があります。
あとは文様に入れて良いのか悩みますが、源氏香に「篝火(かがりび)」があります。
近年のデザイナーさんが製作した文様には炎ありますけど、江戸以前の文は少ないようです。着物や寺院などの仏教関連の装飾には火に関連する文様が見られます。
水に比べると見た目の変化が少ないのでバリエーションが少ないのかもしれません。
文の中でも家紋に関しては炎がもっとメジャーでも良いのでは?と感じます。
もしかしたら何らかの理由で好まれなかったのかもしれません。
昔の人は験を担ぐのが大好きだったので、縁起の悪いものは避けられました。
例えば、戦国武将の間では朝顔や椿の家紋は好まれませんでした。朝顔は短命、椿は首が落ちる事を連想するからです。
同様に炎も何か意味があったのかもしれません。
うーん、とはいえ、なんだか釈然としません。燃え盛る炎は強さを象徴して縁起良さそうですけどね。やっぱり私が知らないだけで、炎に関する文様は存在する気がするので引き続き調べてみようと思います。
風文
火よりも意匠化するのが難しそうな風。実は火よりもレアですが、存在します、風文。
この3つは全て風を表した文様です。風も微風なのか強風なのかでビジュアル表現が変わり、見る人によって印象が変わりそうです。
一番上の渦巻きはつむじ風を連想させますし、真ん中は刺さるような印象を受けます。一番下は風力が弱そうですよね。
強さが違う事が何となく感じ取れるのが面白いです。
音文
音文は見つけられませんでした。近いもので鈴はありました。音に関しては何の音なのかで全く印象が変わるので難しいのかもしれません。轟とかありそうですけど、見つけられませんでした…。
現代なら音符で音を表す事は多いですが、江戸時代などの邦楽器は現在の楽譜とは違うので♪を使う習慣はありません。
最後に
日本には数えきれない程の文様がありますが、風の文様があるのは発見でした。
昨年、平安紋艦という家紋を取りまとめた本の令和改訂版が出版されたので、そこにはもっとレアな文が載っているかもしれません。チェックしてみたいと思います!