早乙女太一率いる劇団朱雀「祭宴」東京公演レポート
早乙女太一さんが座長を務める劇団朱雀。2年半ぶりに待望の公演が開催されました。
本記事は2023年5月21日の大衆演劇 劇団朱雀「祭宴」の東京公演のレポートです。
※ネタバレ含みますのでご注意ください。
大衆演劇とは
大衆演劇の歴史とは諸説ありますが、江戸時代常設の芝居小屋で演じられたものを「大芝居」、それに対し祭りごと寺社境内などで演じられたものを「小芝居」と呼びました。(祭宴パンフレットより一部引用)
大芝居は歌舞伎へと変化し、小芝居は大衆演劇としてより派手に庶民に娯楽を提供する傾向にありました。
祭宴は早乙女太一さんが、総合プロデュース、演出、振付、出演までこなし、三部構成の公演となっています。
劇団朱雀HP:https://www.gekidan-sujaku.com/
第一部:天才女形早乙女太一による舞踊
祭宴のスタートは早乙女太一さんによる女形中心の舞踊ショーから。
しっとりと儚げな空気が会場を包みます。
演目が変わるたびに衣装も早変わり。指先まで美しく様々な女性を演じきります。どうやって着替えているの?と興味津々で観ていると、舞台の雰囲気がガラリと変化しました。
ギラギラとしたキャバレーを思わせる赤や緑の照明にBGMはEGO-WRAPPINの「くちばしにチェリー」。 何が起こるのかと思えば、舞台上で早着替えのパフォーマンスが。
着替えさえも優美です。
朱雀のような赤い花魁に早変わりすると花魁道中へと繋がります。強さと妖艶さとモダンな雰囲気を持ち合わせた新しい花魁で会場を魅了します。
第二部:演劇パート「桜吹雪八百八町」
江戸の町に咲く一本の桜の木の下で物語が展開します。
笑いあり、シリアスシーンありで、見応え充分の演劇パート。
遠山の金さんを演じるのは早乙女太一さん。物語のキーとなる重要な役、桜の精を演じるのは弟の早乙女友貴さんです。
天知る、地知る、人ぞ知る。
勧善懲悪、遠山の金さんによる鮮やかな裁きと名言は痛快です。
金さんと桜の絆も粋でした。
脚本は中島かずきさんが今回の為に特別に書き下ろしたものだそうです。
第三部:待たしたな!踊れや歌え!ダンスパート
大衆演劇は静かに観賞するものだと思っている人はいませんか?
第三部は音楽系のコンサートのようにスタンディング形式で観賞することができます。(座って観賞も自由です)曲に合わせてノったり手を振ったりと一体感を楽しむ事ができます。これぞお祭り!
第一部の優美な日本舞踊とは一変、キレッキレッのダンスパフォーマンスや客席とのコール&レスポンスを楽しむ事ができます。
そして早乙女太一さん&友貴さんによる超高速の殺陣も見逃せません。
そのほか:
二部と三部の幕間には早乙女太一さんから直接お渡し&握手して貰えるグッズ販売の時間が設けられていました。一部から三部まで目まぐるしくパフォーマンスしている早乙女さんですが、幕間も終始笑顔でお客さんに対応していました。
そして実は幕間だけではありません。終演後には条件を満たしたお客さんは2ショット撮影会に参加できます。しかも公演は昼、夜と2回あります。おもてなしの心と並の気力体力では為し得ないものを間近で拝見させて頂きました。
最後の最後まで深々とお辞儀をする姿に心打たれ、伝統芸能の素晴らしさと新たな可能性を感じさせてくれる舞台でした。
劇団朱雀にしかできない究極のJAPANエンターテイメント「祭宴」。
東京公演は終了しましたが、大阪、福岡、沖縄と祭りはまだまだ続きます。お見逃しなく!