伝統文様「青海波」に込められた想い
東京
WEBクリエイター
日本文化×デザインあれこれ
いのうえ氏
今回は日本で古くから親しまれている伝統文様についてご紹介したいと思います。
「和柄」と呼んだりもしますが、日本の伝統文様について意味が込められているのはご存知ですか?
「日本人ははっきりものを言わない」なんて言われる事もありますが、贈答品などにそっと想いが込められていたら嬉しいですよね。
現在でもよく見かける代表的な伝統文様「青海波」をご紹介します!
青海波(せいがいは)
- 三重の半円を連続して波を表した幾何学文様
- 発祥はササン朝ペルシャとされる
- 普及したのは江戸時代とされる
- 未来永劫への願いが込められた吉祥文
青海波は日本以外でもエジプトやペルシアなど各国で見る事ができる文様です。古くは埴輪の着物に見られますが、水の意味として描かれるようになったのは鎌倉時代以降と言われています。
「青海波」という名前の由来ですが、雅楽の青海波という演目から来ています。
江戸時代の舞人の袍にはこの文様が描かれています。平安時代にも源氏物語で青海波を舞う場面があるのですが、この時の装束はどのような文様か明確ではないそうです。
また、江戸時代に勘七という漆工が巧みに描いたのをきっかけに流行ったとされています。
波のように未来永劫続いてほしいというポジティブな願いが込められた文様です。
青海波の文様は現代でも目にすることが多く、駅の壁面に描かれているのを見かけた事がありますよ。シームレスなのでデザインに取り入れやすいですね。
券売機の柄に「七宝繋ぎ」を採用している駅もあります。
身近な伝統文様、是非探してみて下さいね!
プロフィール
WEBクリエイター
いのうえ氏
WEBクリエイター(デザイン/コーディング/ディレクション)
官公庁系サイトディレクション、デザインの他、企業系大規模サイトリニューアル、運営などに携わる。fellowsでのセミナー講師経験もあり。
ここでは個人的に情報収集・発信している日本文化とデザインについて紹介していきます。