見えないものを表現する日本人
東京
WEBクリエイター
日本文化×デザインあれこれ
いのうえ氏
日本人の特性を知る為に、海外文化と比較される事は多々あります。
今日は「見えないもの」をテーマに記事を書きたいと思います。
見えないないものに宿る芸術
日本美術ではしばしば「余白」が表現されています。
主要なモチーフ以外を排除し、背景に多くの余白があるのです。
例えば、菱川師宣の見返り美人図(みかえりびじんず)。これは美しい女性が歩みの途中でふと振り返る姿を描いたもの。
この見返り美人図は背景を大胆にカットし、女性以外のモチーフが描かれていません。街なのか山なのか、はたまた別のどこかなのか・・・見る人の創造力によって完成します。
ちなみにここに描かれてている女性には「白銀比」という日本人に馴染みのある美しさの比率が潜んでいます。
細部まで詳細に描かれる事が多い西洋絵画とは対照的ですね。
例えばサンドロ・ボッティチェッリの「ヴィーナスの誕生」。大きな貝の上に佇む女神ヴィーナスを描いた有名な作品ですが、キャンバスの隅々まで描きこまれています。
また、こちらのヴィーナスの誕生には黄金比が潜んでいると言われています。
話を日本美術に戻しまして、日本の作品には多くの余白が見られます。
見る人によって完成が異なる。創造力で完成させるという美学は絵画以外にも多く採用されているのですよ。
それはまた次の機会にご紹介させて頂くとして、
是非一度「余白」に注目しながら日本の芸術に触れてみてくださいね。
プロフィール
WEBクリエイター
いのうえ氏
WEBクリエイター(デザイン/コーディング/ディレクション)
サイトリニューアルディレクション、デザインの他、企業系大規模サイト制作、運営などに携わる。fellowsでのセミナー講師経験もあり。
ここでは個人的に情報収集・発信している日本文化とデザインについて紹介していきます。