みえない力
日本に限った事ではありませんが、「みえない力」を信じる人は一定数います。
「悪い事をするとバチがあたる」、「神様に祈りを捧げる」などがそれに当たりますね。
今、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)で世界中が混乱状態です。
そんな中、3月にTwitterで「アマビエチャレンジ」なるものが流行ったのはご存知でしょうか。
アマビエとは半人半漁の妖怪で、豊作や疫病を予言すると伝えられています。
アマビエの姿を描く事で、救済されると言われています。
これを受けてTwitterでは、アマビエを描いたりコスプレや人形を作る人が現れました。
気になる方はTwitterで「#アマビエチャレンジ」と検索してみてください。
素敵なアマビエが沢山出てきますよ。
世間が暗い時、ポジティブなイベントで盛り上がれるのは素敵な事だなと感じます。
その少し前には「蘇(そ)」を作って牛乳を消費しよう!という動きがありました。
蘇は平安時代の食べ物なので、令和で復活すると誰が想像した事でしょう。
さて話は戻ります。
「アマビエチャレンジ」、歴史を遡れば他にもあるのでは?と思いつきました。
以前、紅ミュージアムに足を運んだ際に「疫病退散として紅で絵を描く」と学んだような・・・。
自宅の書籍をパラパラと調べたところ、ありました!やはり「紅」。
江戸末期に疱瘡(ほうそう)が大流行しました。
疱瘡は、感染力が高く、治癒しても跡が残る事から悪魔の病と呼ばれていました。
子供達を疱瘡から守るために、疱瘡絵が描かれました。別名、赤絵と呼ばれています。
疱瘡神が赤を嫌うとされており、赤一色で描かれたお札や絵を貼ったり、赤い衣服を身に付けたそうです。
まさに「アマビエチャレンジ」江戸バージョンですね。
絵のモチーフは、疱瘡神の他、縁起の良いものが描かれたそうです。宝船や達磨など。
また、鎮西八郎為朝(ちんぜいはちろうためとも)が島流しにあった八丈島は、疱瘡が流行らなかったとされており、
為朝の絵も好まれたそうです。
病が治癒した後は、絵を川に流したり焼いた為、現存するものは少ないようです。
コロナの混乱もあり、2020年は間違いなく歴史に残る年となるでしょう。
疱瘡絵と同じように、アマビエチャレンジも後世に残るかもしれませんね。