人間もいてほしい。

choco旅 vol.10
ライター
DECO KATO
加藤 デコ

車掌さんの知識とは

昔、「こだま」車中で若い車掌さんと話をしたことがある。

私が四日市に実家があると話したら、

教えてほしいことがあるんですと言う。

 

「JR四日市駅と近鉄四日市駅はどのくらい離れているんですか?」

 

聞けば、「お客様にご案内するとき、困るんです」とのこと。

なるほどー。

確かに2つの駅には少し距離がある。

歩けば10~15分、バスなら停留所2つ、タクシーならワンメーター。

四日市市民の足は基本、近鉄だから、

新幹線から乗り継ぐのなら、そもそも名古屋から近鉄に乗ったほうが便利かと。

JR名古屋駅には、近鉄への連絡改札口がありますよね。

 

車掌さんはしっかりメモをとっていた。

「JRと私鉄が離れている駅は、案内要注意で気をつけています。

四日市は行ったことがないので、助かりました」

車掌さんって、そういう知識が必要なんだと感心した。

 

 

車掌さんの試験

近鉄名古屋本線に乗ったときのこと。

近鉄の制帽をかぶった年配の男性職員が

チェック用紙のようなものを持ってドア付近に立っている。

車掌は若い女性。

きびきびと業務をこなしている。

彼女が何かをすると、その都度、男性職員が用紙に何かを記入する。

このおじさんは、何の人?

どうしても我慢できずに

「すみません、何のチェックをしているのですか?」と聞いてみた。

 

「彼女の、車掌の昇進試験なんです。

合格すれば、正式に車掌として乗務できるようになります」

 

なるほどー。

そりゃ、車掌さんだって試験がありますよねえ。

運転席に師匠と弟子と思しき2人組が乗っているのはよく見かけるが、

車掌さんの試験というのは初めてみた。

 

人間も残して(泣)

運転士のいない鉄道、人の立っていない改札、人の見えない切符の販売機、

便利だけれどもちょっと寂しい。

昔、JRの切符売場やみどりの窓口では

「今なら、あなたの足だったら●分に乗れますよー」は当たり前だった。

新宿駅で

「これから東京駅に行くなら、●分かな」と案内して切符を売ってくれた。

ザ・鉄道パーソン、カミワザだ。

そういうのも残るようにデジタル化してほしい。

あかんかなー。

プロフィール
ライター
加藤 デコ
目指せ、ソロワーク、ソロ旅、ソロ温泉。 そのために、もの書きとしてがんばって働きます。

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