人間もいてほしい。
車掌さんの知識とは
昔、「こだま」車中で若い車掌さんと話をしたことがある。
私が四日市に実家があると話したら、
教えてほしいことがあるんですと言う。
「JR四日市駅と近鉄四日市駅はどのくらい離れているんですか?」
聞けば、「お客様にご案内するとき、困るんです」とのこと。
なるほどー。
確かに2つの駅には少し距離がある。
歩けば10~15分、バスなら停留所2つ、タクシーならワンメーター。
四日市市民の足は基本、近鉄だから、
新幹線から乗り継ぐのなら、そもそも名古屋から近鉄に乗ったほうが便利かと。
JR名古屋駅には、近鉄への連絡改札口がありますよね。
車掌さんはしっかりメモをとっていた。
「JRと私鉄が離れている駅は、案内要注意で気をつけています。
四日市は行ったことがないので、助かりました」
車掌さんって、そういう知識が必要なんだと感心した。
車掌さんの試験
近鉄名古屋本線に乗ったときのこと。
近鉄の制帽をかぶった年配の男性職員が
チェック用紙のようなものを持ってドア付近に立っている。
車掌は若い女性。
きびきびと業務をこなしている。
彼女が何かをすると、その都度、男性職員が用紙に何かを記入する。
このおじさんは、何の人?
どうしても我慢できずに
「すみません、何のチェックをしているのですか?」と聞いてみた。
「彼女の、車掌の昇進試験なんです。
合格すれば、正式に車掌として乗務できるようになります」
なるほどー。
そりゃ、車掌さんだって試験がありますよねえ。
運転席に師匠と弟子と思しき2人組が乗っているのはよく見かけるが、
車掌さんの試験というのは初めてみた。
人間も残して(泣)
運転士のいない鉄道、人の立っていない改札、人の見えない切符の販売機、
便利だけれどもちょっと寂しい。
昔、JRの切符売場やみどりの窓口では
「今なら、あなたの足だったら●分に乗れますよー」は当たり前だった。
新宿駅で
「これから東京駅に行くなら、●分かな」と案内して切符を売ってくれた。
ザ・鉄道パーソン、カミワザだ。
そういうのも残るようにデジタル化してほしい。
あかんかなー。