創業93年! もなかの皮だけを作り続ける広島の老舗
古くから「ものづくり」が盛んな広島県には、全国に誇る技術や製品がたくさんある。伝統工芸をはじめ、化学や繊維、金属や機械など、海外にも進出している老舗の企業が軒を連ねている。私も仕事柄、いろいろな広島のお宝情報を集めているのだが、実は最近、新たなる宝物を発見した。それが、最中種。そう、もなかの皮だけを製造・販売している会社が広島にあるのだ!
その会社が「三谷製菓」さん(https://www.mitani-seika.co.jp/)。なんと、1929年創業! 長年広島に住んでいながら、今まで知らなかっただなんて…なんとなく申し訳ない気持ちになってしまった私。さっそく、この会社のことを公式サイトで調べてみると、老舗ならではのプライドが、ひしひしと感じられた。もなかの皮となる原料は、厳選した広島県産もち米を使用。それを自家製粉し餅にして、職人が一枚一枚ていねいに焼き上げているとのこと。
さらに、私を引き付けたのは「どんな食材とも相性が良くなるよう、風味と味わいには配慮と工夫を行い、最中種が持つ可能性と未来へのものづくりを行っています」という、社長の言葉。伝統を重んじながらも、革新的なチャレンジをし続ける…なんと素晴らしい! 先人たちが残してくれた技術や技能を受け継ぎながら、その時代に合ったものを創作するというのは、クリエイティブな業界にも通じる。デザイナーやライターなどの職種に限らず、何かを創作する「ものづくり」に携わる人たちは、みんなクリエイターだ、と私は思っている。
写真にあるハート形のもなか皮は、三谷製菓さんの革新的な商品のひとつ「モナロン」。アイスクリームやチーズなど、お好みの具材を入れて楽しめるのが魅力。お料理やお菓子のトッピングにも使えて、とても便利だ。食べてみると…サクッとした歯触りと、お煎餅のような香ばしさ。もなかの皮だけ食べて「おいしい!」と感動したのは初めてかも知れない。
撮影協力:neuf café ヌフカフェ(広島市中区新天地 タウンビル4F)