本当は秘密にしておきたい! 繁華街の「うら」にある隠れ家風の店

広島
コピーライター、エディター
Kyoko Kittaka
橘髙京子

広島の繁華街といえば、皆さんはどこを一番にイメージされるだろうか? やはり、全国的に有名なのが、流川や薬研堀。スナックやバー、お好み焼き店、カラオケボックスなどなど…たくさんの店が軒を連ねていて、まさに「ネオン街」。わたしも、飲み会などでお世話になっている街だ。しかし、広島にはまだまだオススメの街がある。今回紹介したいのは、袋町。袋町とは、本通りや紙屋町、並木通りなどに囲まれている繁華街で、オシャレなカフェやバーが多い。オフィス街も近く、ランチや仕事帰りの一杯で利用する人も多い。

その袋町の中に「うらぶくろ」という、ディープな(?)場所がある。本通商店街の南側に2本の通りが並んでいるのだが、その周辺が、そう呼ばれている。「うら」という名前のとおり「おもて」にはない個性豊かな店が多いのが特徴だ。その中で、わたしが今、いちばん気になっているお店がある。その名は「キ」。初めて看板を目にしたとき、その個性的な店名に惹かれた。正式名称は「肴と鯛そば 貴」。オーナーの名前「貴将」から一文字とったそう。(ちなみに「肴」は「さかな」ではなく「あて」と読む)。オープンして半年ほどの新しい店だが、常連さんでいつも賑わっているイメージ。わたしは、知人や友人から評判を聞くなど口コミで訪れることが多いのだが、行って大正解だった。

この店のメニューは「肴の部」と「鯛そばの部」があり、肴の部は3品・5品・7品から、鯛そばの部は小鉢2品+鯛そば・小鉢3品+鯛そばから選ぶスタイル。肴は、その日に仕入れたものや、オーナーの気分で決まるので、何が出るかは来店してからのお楽しみとなっている。

そして、ここに行ったら、ぜひ味わってほしいのが「鯛そば」。極端麗の鯛出汁のスープと太めでモッチモチの縮れ麺が特徴のひと品だが、特にスープが好み!  あっさりとした上品な味わいで、飲み干しても罪悪感がない! 例えるなら、お吸い物のよう。ラーメンとはまったく違う、新感覚の和食だ。オーナーが言うには「飲んだあとのシメに食べたくなるラーメンも、これなら胃もたれしないですよね」と。確かに! しかも、量がちょうどよい。また「肴の部を注文したけど、鯛そばも食べたくなった」というワガママも聞いてくれる。ハーフサイズがあるのも嬉しい。

 

さらに、店の最大の魅力とも言えるのが、居心地の良さ。オーナーの楽しいトークと細やかな目配り・心配りで、幸せな気分になる。もちろん、料理がおいしいのは言うまでもない。とても研究熱心な人で、興味がある料理はジャンルを問わず極めようとする。「どんなものが食べてみたいか」「コレとコレを組み合わせるのは、どう思うか」など、お客さんにも聞きながらアイデアを練っていたり…こちらも一緒に店づくりをしているような感覚になってしまう。「さて、今夜は、どんな作品が出て来るのか⁉」扉を開けるのがワクワクする店だ。

下の写真に写っている一品は、あんきもをもなかの皮で挟んだ「あんきもなか」。発想が斬新!

 

撮影協力:肴と鯛そば 貴(キ) 広島市中区袋町2-6 YUBUTAビル2F

お店のインスタグラム「ate.to.taisoba.ki

 

プロフィール
コピーライター、エディター
橘髙京子
大学卒業後、広告代理店のコピーライターや出版社の編集者・ライターとして勤務。現在は映像業界のプロデューサー、フリーライターとして活動中。

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