「学生から社会人(クリエイター)へ クリエイターを目指す!」

Vol.21
株式会社フェローズ マーケティング セクション 兼 アニメセクション アドバイザー シニアプロデューサー
Yuoh Sekita
関田 有應

こんにちは。

フェローズ マーケティング セクション 兼 アニメセクション アドバイザー

シニアプロデューサー 関田有應(せきた ゆうおう)です。

 

コラムの連載を始めて21回目を迎えました。

今まで、私のコラムを読んで下さった皆様に心より感謝いたしております。

ありがとうございます。

 

今回から、今までとは趣(おもむき)を変えた視点で、クリエイティブ業界のお話をいたします。

21回目のコラムのテーマは「学生から社会人(クリエイター)へ クリエイターを目指す!」です。

 

クリエイターを目指す皆さんは、学校でクリエイターとしての基礎教育を受け、

そしてエンタテイメント業界に就職しクリエイターとしての1歩を踏み出す!というのが王道ですね。

 

私の場合はかなり違いました。

元々、ミュージシャンを目指していた私は、学校⇒バイト⇒バンドのスパイラル!

暇さえあればベースを弾いているか、音楽を聴いているか、という日々を過ごしていました。

 

仲間達が就職活動に励み、内定を取り「良かったね!おめでとう」と一緒に喜ぶ自分はいましたが、

自分の就職活動は全く行っていないし興味もない。

私は何のためらいも焦りもない、完璧にマイペースな日々を送っていました。

仲間たちは「関田は音楽の世界に進む!」のだと思っていたようですが、

当の本人はのんびりしたもので、そこまでも考えていませんでした。

 

ただ「モノを創る仕事!クリエイティブの世界で仕事をする」

これだけは決めていた自分がいました。

それは、自分の好きな世界だったからです。

自分の好きなこと、やりたい事が有るのがクリエイティブ業界でした。

このままベーシストになるか!

学校で学んだ絵を描く事を活かしポップアーティストになるか!

出版社にエッセイを持ち込んでいたのでエッセイストになるか!

番組制作会社に番組企画書を持ち込んでいたのでテレビマンになるか!

 

今思えば、単位を落とし留年した期間は、私が学生から社会人としての1歩を踏み出すための人生時間として、

どの仕事を選ぶのか「自分と向き合い選択する」ための時間として、必要な時間でした。

また、実家暮らしだったので、衣食住には困る事はなく悠々自適な日々を過ごせていたことも幸いでした。

 

私が選んだ道、就職先は番組制作会社です。

アルバイトではない正社員雇用です。

今まで学んだ事を、どのように生かして1人前の社会人になるか。

学生は授業料を収めて学ぶ。

社会人(クリエイター)は仕事(社会貢献)をして対価(給与)を得る。

 

だれでも最初は素人・未経験者です。

まずは覚える事からスタートです。

何も知らない、わからないが当たり前で、いかに自分のモチベーションを上げて、仕事を覚えようとするか。

そのカギは

自分が好きで選んだ番組制作者としての自己成長のために、

スポンジのようにすべてを吸収し制作現場から多くを学び取り、自分の糧にする

仕事への責任と覚悟でした。

そのことだけを強烈に意識して仕事に挑む自分がいました。

 

まだ入社して間もない時に、取材先に技術スタッフと共に、制作として現場に入った時の事です。

当時はまだ、バッテリーの性能が良くなく、音声さんの機材は電池を使っていました。

収録の合間に、ロケバスに戻り音声さんが電池交換するのですが、

ロケバスでスタンバイさせられていた私は「きっと次も電池交換をする!」と思い、

叱られる事を覚悟して新しい電池をアダプターに入れて事前に準備を行い、音声さんが戻られた時にお渡ししました。

音声さんから「余計なことをするな!」と叱られるのではとびくびくしながらです。

しかし、音声さんはにっこり微笑みながら受け取って下さいました。

撮影が終わり帰社した時に、技術部のチーフTD(テクニカルディレクター)が私の上司に

「関田は使える!技術でもやっていける!制作部で使えなかったら技術部で引き取る!」

と言って下さいました。

正直、とても嬉しい気持ちでいっぱいでしたが、私の上司は何食わぬ顔でただうなずくだけ。

それくらいの気遣いと、先を読む力。現場での動きが出来て当たり前」と言いたかったのでしょう。

その気持ちが理解出来るようになったのは、自分がプロデューサーとして1本立ちしてからです。

もう40年以上も前の話です。

この話はまた次の機会でお伝えできればと思います。

 

テレビ業界で40年以上仕事をしてきましたが、昔からずっと変わっていないことが、一つ有ります。

それは、

「クリエイティブの世界で仕事をする・好きな事を見つけてやり遂げる!強い意志と責任感、ものつくりへの拘りと愛情!」です。

いろいろな制作現場を経験し、それをすべて自分の糧(かて)にしてきた私の人生訓は、

我が人生に一切の悔いなし」です。

 

今私は、学生の皆様へ向けたキャリアマネジメント・キャリアデザインのアドバイスを行いながら、就職活動のサポートを行なっております。

内定取得された方、挑んでいる方、これから就職活動スタートの方と、いろいろな学生の方がいらっしゃいます。

おひとり、おひとりと向き合い、自身のプロデューサーとしての経験と、

クリエイター専門の人材マネジメント会社・シニアプロデューサーの経験を活かして、

色々なご相談をお受けしキャリアマネジメントをしております。

 

その時に、必ず申し上げている事は「なりたい自分を見つける」ということ。

エンタテインメント業界で働きたい!仕事がしたい!クリエイターになりたい!

漠然としたイメージだけでご相談される学生も多く、その場合は、まずはどんなお仕事を希望しているのか!

最初に伺い、それから学生の皆さんが学んだことをどう活かせるのか!

学生最後のタイミングで、ご自身の「たな卸し」をして頂き、社会人になる前に今1度、ご自身と向き合うことをお勧めしています。

その上で、エンタテイメント業界の仕組みや職種の違い、また業界実情、働き方などのお話をさせて頂いています。

 

私が出来る事は、どんなパーツをどのように集めてどうやって使えば、なりたい自分になれるのか。

そのためのパーツの集め方や使い方をお伝えします。

でも、レールは引きません。

レールの引き方をお伝えする以上にパーツの組み立て方をお伝えする事を大事にしています。

なぜなら、クリエイターとして人生のレールを引くのは学生の皆さんご自身だからです。

 

「学生から社会人(クリエイター)へ クリエイターを目指す!」

今回はここまでです。

 

クリエイターといて活躍しているアシスタントプロデューサー君。

本当に努力、精進していますね。

クリエイティブ業界での人生を極めて下さい。

そして素敵なプロデューサーになって下さい。

がんぱれ

先輩シニアプロデューサーとして心より願う事です。

 

ここまで読んで頂き有難うございました。

それではまた次回。

 

プロフィール
株式会社フェローズ マーケティング セクション 兼 アニメセクション アドバイザー シニアプロデューサー
関田 有應
(せきた ゆうおう)大学を卒業後、テレビ局直系制作会社に入社。
企画、番組制作、イベント映像、PV、VP制作を行い、その後CM制作を中心に実写業界でのキャリアを積み、大手出版社グループでデジタルコンテンツ系の映像・音楽制作。
子供向けアニメ作品を中心とした、テレビシリーズ・OVA・劇場版・音楽制作・マーチャンダイジングと、キャラクタービジネスの世界で製作プロデューサーを行う。 代表作は、平成の名物キャラと言われる主人公がハムスターのアニメ作品 
株式会社フェローズにて アニメセクションの立ち上げを行い、現在はマーケティングセクションにて全国の映像系学校でのセミナー講師やキャリアアドバイザーを行っている。
息子も大手広告代理店直系の制作プロダクションのPM「親子鷹」である。
※無類の音楽好きで、40年ぶりに大学時代のバンドを復活。活動中。

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