NYCをもっと便利にする! アプリ開発コンテスト
- Dig It! NYC Vol.36
- Dig It! NYC 藤井さゆり
NY市がやってる面白い試みを見つけました。 “NYC Big Apps”(nycbigapps.com)という、NY市をもっとよくするためのアプリケーション開発コンテストをやっているらしいのです。
このコンテストは、市が保有する、地下鉄・バスなどのスケジュール、レクリエーション施設や駐車場などの情報などの公共データを活用した(データは市のウェブサイトからダウンロード可能)、市民や観光客に役立つためのウェブサイトやアイフォン、アンドロイド用のアプリケーション開発を一般から募る、というもの。
これはとってもいいアイディアだと思いませんか? こういう試みを市が主催しているのもいいですし、実際の利用者に開発してもらうことで、使い勝手がよくかつ予想を超えたアイディアがたくさん出てくる可能性もあります。さらに、その開発者のビジネスチャンスにもつながることもあるかもしれませんよね。
入賞すると賞金があり、最優秀賞だと10,000ドルの賞金、2位入賞で5,000ドルの賞金、3位入賞は2,000ドルの賞金がもらえるようです。
それでは最新のコンテスト“NYC Big Apps 2.0”(2010.nycbigapps.com)で入賞したアプリケーションをご紹介したいと思います。
■Roadify iPhone App
最優秀賞を受賞したアイフォン用アプリ。バス、電車のタイムスケジュールやリアルタイムでの運行状況、グーグルマップ上でのバスターミナルや駅表示、車利用の場合は、グーグルマップ上での混雑状況、駐車スポットと駐車料金表示など、市内全ての交通に関する情報が網羅されているアプリ。個人的にもこれは役に立ちそうです!
■Sportaneous
2位入賞のアイフォン用アプリ。スポーツ好きかつ忙しいニューヨーカー向け。公共のサッカーグラウンドやバスケットコートなどのレクリエーション施設がデータベースとなっており、バスケ、アメフト、サッカーなどのゲームをやりたい人がアプリを使って呼びかけ、参加者を募り、気軽に参加申し込みができるというソーシャルもの。ゲーム参加対象者のレベル設定ができたり、最低プレイ人数に達したらお知らせが来たりと、なかなか気の利いた設定があります。
■Parking Finder (BestParking.com)
3位入賞のアイフォン&アンドロイド用アプリ。「NYで駐車スポットを見つけることは悪夢だ」と説明ビデオでも言っている通り、NY、特にマンハッタン内で駐車スポットを見つけるのは金持ちではない限りとっても難しい!そこで便利なのがこちら。駐車スポットを見つけたいエリアを選択、日時、車の種類(普通車、SUV、バンもしくはトラック)といった必要な情報を入れると、そのエリアにある駐車スポットをグーグルマップ上で表示してくれます。駐車場の料金設定やクーポンなどの情報、駐車場表示以外にも、メーターで駐車できる、また、タダで駐車できる路上駐車スポットも表示してくれます。
いかがでしたでしょうか? 以前書いた、イエローキャブのデザインを一般からの投票で決定のように、NYをよくするため、行政が一般人を巻き込んでこのような取り組みを仕掛ける、しかもデジタルデバイスを使って、というのはNYならではと思います。公共のデータを一般に公開し、それを活用してもらうという透明性や自由なところも先進的です。日本の行政でもこういった画期的な取り組みが出てくることを期待したいですね。
その他の開発アプリは2010.nycbigapps.com/submissionsで見られます。 ■ NYC Big Apps → nycbigapps.com
Profile of 藤井さゆり
東京生まれ、アメリカ在住。日本とアメリカでの職務経験あり。
東京丸の内にある公益法人にて8年間勤務の傍ら、友人が企画したクラブイベントのフライヤーや、CDジャケットのデザインを行う。
公益法人では「地方の街づくり・街おこし」支援事業の一環で、ウェブサイト業務に携わる。 公益法人退職後、2004年より4年間、都内商業施設のサイト更新・管理、販促サイトのキャンペーンページ企画と取材・撮影を含めたライティングワーク、ウェブデザインを経験。
2008年ニューヨークに移住。ニューヨークではウェブマーケティング、サイト管理を企業にて経験、それと共にウェブデザインとライティングワークをフリーランスとして行う。現在は日本の着物をインスパイアしたオリジナルTシャツブランド「Foxy Lilly」を立ち上げ、オーナー兼デザイナーを務める。
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