レディー・ガガのクリエイティビティ
- Dig It! NYC Vol.35
- Dig It! NYC 藤井さゆり
先日、MTVでビデオミュージックアワード(以下VMA)を見ました。日本のMTVでも放映されていたようなので見られた方もいらっしゃるかもしれません。
VMAは1984年にスタートしており、アメリカではグラミー賞と同じくらい大きなアワードです。全16部門(2011年現在)において作品がノミネートされ、VMA開催当日、各部門の最優秀賞が発表されます。
アーティストのライブはもちろん、多くは俳優であったりする著名なプレゼンター達のスピーチが面白いのですが、今回の私の一番のお目当ては、レディー・ガガのオープニングパフォーマンスでした!
日本でも有名過ぎるので、ガガについて今さらここで書く必要もないだろうとも思うのですが、やっぱり書かずにはいられません。
ガガのクリエイティビティ、イマジネーションは素晴らしいです!!
VMAでは"Born This Way" でBest Female Video Best とBest Video With a Messageを受賞。ソングライティングの秀逸さはもちろん、ビデオも完成度が高く、ガガの音楽は視覚と共に楽しんでこそ、彼女の世界観を十分に味わえないと思います。ファッションセンスもそうですが、突き抜けて独創的なアーティストであり、クリエイターだと思います。VMAでのパフォーマンスも、非常に素晴らしいものでした。
Born This Way
以前見たグラミー賞でのパフォーマンスも大好きでYoutubeでも何回も繰り返し見ていましたが、VMAではどんなことをしてくれるんだろうとわくわくしていました。結果、見事に期待を裏切ってくれました!
グラミー賞のパフォーマンスも、2年連続でどうぞ。
グラミー賞2011でのパフォーマンス。ガガ、卵の中から出てきます。
グラミー賞2010でのパフォーマンス。エルトン・ジョンとの共演がすばらしい
今や、時代の頂点、世界の歌姫とも言われるレディー・ガガ。3.11の震災後には「We play for Japan 日本のために祈りを」と書かれたリストバンドをデザインし販売、2週間で150万ドルを集め、全収益金を日本復興支援のために寄付したことでも有名です。
NY出身のガガは、地元でもちゃんと日本復興のためのPRをしてくれていました。NYで配布されているフリーペーパーMetro New York上で、日本への想いを語り「日本へ行きましょう!」と広く呼びかけています。以下、文章をそのままサイトから引用。
原文は >>> http://www.metro.us/newyork/life/article/862257--japan-is-open-for-business
記事のタイトル: 「Japan is open for business」(日本は営業している)
「We’re doing more harm to Japan by staying away than by going. ‐Lady Gaga」
私たちが日本に行くことより、日本を離れることのほうが日本の被害が大きくなる。 ‐レディー・ガガ
「I am writing about Japan, not only because we did the Japan bracelet and to highlight the way that pop culture can be used to provoke change, but to create awareness and not allow the media to perpetuate falseties about the conditions in Japan, so we can say everything’s OK, everyone’s rebuilding,」
“私が日本について書いているのは、ブレスレットで支援を行ったことや、変化を引き起こすために、ポップカルチャーは強い影響力があるということを示すためだけではありません。日本の状況について偽りの情報を流し続けているメディアを受け入れず、日本は大丈夫、復興に向かっているのだと気付かせるためでもあるのです。”
「Go to Japan, it’s safe, continue to support the relief efforts but know that it’s only 0.1 percent of the country that was affected and that we’re doing more harm to Japan by staying away than by going. Enjoy their beautiful cities and landscapes. Always looking forward and not looking back, never operating from a place of fear. 」
“日本へ行きましょう。日本は安全です。救済活動の支援を続けましょう。影響があったのは日本の0.1%です。私たちが日本から離れることでさらに被害が大きくなるのです。日本の美しいまちと土地を楽しんでください。恐れからの行動ではなく、過去を振り返るのではなく、いつも将来に目を向けてください。”
ガガほどの影響力がある人が日本についてこのようなメッセージを出すということは、かなり大きいことだと思います。残念ですが、震災以降、放射能の問題が大きく取りざたされ、多くの外国人が日本を離れましたし、また、NYでも刺身や寿司をもういっさい食べない人もいると聞きました(日本からのものでも影響はないのに!)。このメッセージを読んだNYに住む人々が、少しでも正しく理解を示してくれることを祈ります。
また、このガガのメッセージを読んで、日本への愛を感じるとともに、メディアに左右されない、自分の信じるものが軸としてあるぶれない生き方、信念を感じられました。
ファンを最も大切にするガガ。常に謙遜の姿勢でまわりへの感謝を忘れず、ファンには最高のものを見せたいから、ライブなどのパフォーマンス前には何度も何度もリハーサルをするそうです。素晴らしい人ほど偉ぶらず、人並み以上の努力をしているものなのですね。
世に出る才能あふれたクリエイターは、作品が優れているだけではなく、人格も素晴らしいのだと思います。自分の信じるもの・軸があり、才能だけに甘んじることなく、努力と感謝を忘れないクリエイターさんは、素敵なクライアントさんとの出会いがたくさんあって、豊かで幸せなクリエイティブライフを生きているような気がします。
MTVのビデオミュージックアワードのもようは、ウェブサイトで見られます。 http://www.mtv.com/ontv/vma/2011/
Profile of 藤井さゆり
東京生まれ、アメリカ在住。日本とアメリカでの職務経験あり。
東京丸の内にある公益法人にて8年間勤務の傍ら、友人が企画したクラブイベントのフライヤーや、CDジャケットのデザインを行う。
公益法人では「地方の街づくり・街おこし」支援事業の一環で、ウェブサイト業務に携わる。 公益法人退職後、2004年より4年間、都内商業施設のサイト更新・管理、販促サイトのキャンペーンページ企画と取材・撮影を含めたライティングワーク、ウェブデザインを経験。
2008年ニューヨークに移住。ニューヨークではウェブマーケティング、サイト管理を企業にて経験、それと共にウェブデザインとライティングワークをフリーランスとして行う。現在は日本の着物をインスパイアしたオリジナルTシャツブランド「Foxy Lilly」を立ち上げ、オーナー兼デザイナーを務める。
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