フリーランスのクリエイターになりたい!
こんにちは。
フェローズ マーケティング セクション 兼 アニメセクション アドバイザー
シニアプロデューサー 関田有應(せきたゆうおう)です。
23回目のコラムは「フリーランスのクリエイターになりたい!」です。
大学や専門学校をご卒業され、プロダクションなど就職して働くのではなく、フリーランスのクリエイターとして働きたい!とご希望される方が、大変多くいらっしゃいます。
今回は、フリーランスのクリエイターについてのお話をさせて頂きます。
【フリーランスの定義】
「フリーランス」とは法令上の用語ではなく、定義は様々であるが、本ガイドラインに
おける「フリーランス」とは、実店舗がなく、雇人もいない自営業主や一人社長であって、
自身の経験や知識、スキルを活用して収入を得る者を指すこととする。
「フリーランスとして安心して働ける環境を 整備するためのガイドライン」
内閣官房・公正取引委員会 ・中小企業庁 ・厚生労働省発刊 令和3年3月26日
厚生労働省HPより転用
文中では「フリーランス」をこのように定義付けています。
簡単に言えば、組織に専従しないで働くという事になります。
では、なぜ多くの学生の皆さんが学校を卒業して、フリーランスのクリエイターになりたいと考えるのでしょうか。
学生の皆さまへキャリアマネジメントさせて頂いている私が思う事は2つです。
- 何の束縛も受けず好きな仕事だけを行うクリエイターとして働きたい
- 組織に帰属するのが苦手で、人に使われる事に抵抗が有る
元々、漫画家や小説家を目指される方は作家ですので、組織に帰属せず、フリーランスの道を選ぶことになります。
では大学や専門学校で専門的な知識やスキルを学んだ学生から、すぐにプロフェッショナルのフリーランスクリエイターになる事が出来るのでしょうか。
私は、なれる!と考えています。
ただ「組織に帰属しない」「就職活動を行わない」以上、自身でクリエイターとしての自分を売り込まなくてはなりません。
自分を売り込み、クリエイターとしてのスキルを認めて頂き、仕事をお受けする!ことがマストになります。
例えば、フリーランスのイラストレーターになる場合、少なくともどのようなスキルを持ち「どんなイラストが描けるのか」「どのような要望に応えられるのか」など、クライアントのご要望にお答えできるイラストレーターなのか、伝える必要があります。
社会人経験がないアマチュアですので、プロとしての実績は全くなし!
クライアントに対して「自分がどのようなスキルを持ち、どのような事が行え、どのようなイラストが描けるのか」をお伝えする。
お伝えする方法として、まずポートフォリオ制作が必要不可欠になります。
ポートフォリオを持って売り込み(営業)に行く。
SNSを利用して自分の描いたイラストなどをInstagram・YouTube・Twitterなどで発表し、自分を売り込む事も可能です。
在学中から自身の作品をSNS上で発表し、クライアントの目に止まり、そこから仕事を受けプロのクリエイターになられた方もいらっしゃいます。
また、在学中にいろいろなコンテストに応募して賞を取り、仕事につなげた方もいらっしゃいます。
どんなに高いスキルや表現力を持っていても、それを発信しなければ、クライアントから仕事は頂戴できません。
「自称イラストレーター」で終わってしまうのです。
セルフプロデュースを行い、クリエイティブ業界にクリエイターである自分をプロモーションして知って頂き、お仕事の発注を頂戴する。
自分を売り込む事を行わない限り、学生から即フリーランスのクリエイターになれる確率は非常に低い。
言い換えると、卒業して最初からプロのクリエイターとして活躍するためのハードルは高い。
それを乗り越えるだけの努力と覚悟をもって挑む。
そのためには、しっかりとしたキャリアデザインとセルフプロデュースが必要になります。
学校を卒業して、即フリーランスとして仕事をするためには、相当な事前準備と高いスキル、そして営業力・プロモーション力が必要である事は言うまでもありません。
私は、キャリアマネジメントを行う際、卒業したらすぐにフリーランスで仕事をしたい学生の皆さんにお聞きしている事がいくつかあります。
例えば、
・どのように営業するのか。
・クライアントとのつながり(人脈)は有るのか。
・コンスタントに仕事を得る事が出来ない時の生活はどうするのか。
・お仕事のご発注を頂戴する事が出来たとして、報酬を頂戴するまでの間の生活はどうするのか。
ほとんどの学生の方から、明確な答えを得た事はございません。
社会人になるという現実をしっかり受け止めて下さい。
プロとは何か!
フリーランスという言葉の響きや、人に使われたくない、組織に帰属したくない。
そんな思いだけで動いていないでしょうか。
ついつい自分を過信しているのではないかと思ってしまいます。
私は、学校を卒業してすぐに、フリーランスで働きたい!という思いをお持ちの学生の皆さまに「そんな事は無理です!」とか「やめた方が良い!」など否定的な言い方は一切申し上げません。
それは、仕事のスタイルとしてあり得る事だからです。
しかしながら、フリーランスの道を選んで実現させるためには、相当な覚悟とプロフェッショナルとしての自覚をもって挑まないと、誰からも認めてもらえず仕事にはつながりません。
その事だけはお伝えしています。
前回のコラムでも申し上げた事ですが、
最初はだれでも憧れや興味からクリエイティブの世界を目指します。
だれでも初めは初心者・アマチュアです。
そこから、社会人としてプロのクリエイターとしての自分を磨き、スキルアップを行い続けられるのか。それに加えて営業まで行わなければならない。
働く環境を選ぶのは自由です。
しかし、仕事を得る事が出来なければ「自称イラストレーター」です。
就職活動を行うより、フリーランスになる事をご希望されている学生の皆さん。
相当な覚悟と精神力、営業力が必要とされます。
私は止める事はしませんが、クリエイティブ業界の先輩としてフリーランスになるタイミングは、
就職活動を行い、組織に帰属し、組織人格、スキルを磨き、人脈構築を行ってからでも遅くはないのではと、お話させて頂いています。
「フリーランスのクリエイターになりたい!」
卒業したらすぐに。
そんなお気持ちをお持ちの学生の皆さん。
「REFLECTION&ROCKS(熟考して熱狂)」
この言葉を思い出して実行して下さい。
クリエイターとして活躍しているアシスタントプロデューサー君。
色々な働き方があります。
近い将来、起業する・フリーランスになる事も出来ます。
しかし今は組織に帰属しながら、日々精進です。
そして素敵なプロデューサーになって下さい。
「がんぱれ」
先輩シニアプロデューサーとして心より願う事です。
ここまで読んで頂き有難うございました。
それではまた次回。
企画、番組制作、イベント映像、PV、VP制作を行い、その後CM制作を中心に実写業界でのキャリアを積み、大手出版社グループでデジタルコンテンツ系の映像・音楽制作。
子供向けアニメ作品を中心とした、テレビシリーズ・OVA・劇場版・音楽制作・マーチャンダイジングと、キャラクタービジネスの世界で製作プロデューサーを行う。 代表作は、平成の名物キャラと言われる主人公がハムスターのアニメ作品
株式会社フェローズにて アニメセクションの立ち上げを行い、現在はマーケティングセクションにて全国の映像系学校でのセミナー講師やキャリアアドバイザーを行っている。
息子も大手広告代理店直系の制作プロダクションのPM「親子鷹」である。
※無類の音楽好きで、40年ぶりに大学時代のバンドを復活。活動中。