クリエイターのキャリアデザイン

Vol.24
株式会社フェローズ マーケティング セクション 兼 アニメセクション アドバイザー シニアプロデューサー
Yuoh Sekita
関田 有應

こんにちは。

フェローズ マーケティング セクション 兼 アニメセクション アドバイザー

シニアプロデューサー 関田有應(せきたゆうおう)です。

 

24回目のコラムは「クリエイターのキャリアデザイン」です。

 

クリエイティブのお勉強をされて、プロダクションに就職してクリエイターになる。

社会人になる最初の入り口が就職活動です。

就職先を選ぶのは楽しくも有り、一方では難しさも有ります。

 

なりたい自分になる。

好きな世界で仕事がしたい。

最初はだれでも憧れや興味からクリエイティブの世界を目指します。

 

映像制作者になると決めて、いざ就職先を探し始めると、テレビ領域だけでも、

報道・ドキュメンタリー・バラエティー・ドラマ・CMなど、多くの制作会社があり各社に特徴があります。

ミュージッククリップやライヴ専門、また企業や学校関係の催事の記録(VP系)などを中心に手掛けている制作会社もあります。

最近では、WEB領域での動画制作、SNSでの配信動画制作などデザイン事務所で映像制作を行うことも増えています。

映像制作者になると決めても、これだけの選択肢があります。

さらに映像表現領域を広げると、アニメーション制作、ゲームのオープニングムービー制作と選択肢はますます増えていきます。

加えて、映像文化の王道である映画制作会社まで。

映像の世界でクリエイターになる!

映像制作者になると決めても、これだけの選択肢があります。

 

今、私は芸術系大学でキャリアアドバイザーのお仕事をさせていただいています。

私の実務経験から、学生の皆様の就職相談と就職活動のアドバイスを行っております。

学生の皆さまは、4年間の大学の授業で「映像表現技法」「理論と研究」さらに人間力・知識・教養を学ばれ磨いてます。

学科により、学んだ専門性の違いはありますが、ほとんど全ての学生が、映像の世界でのクリエイターを目指しています。

 

しかし、まだ、どの道を選んだらよいか決めきれていない学生の皆さんも多くいます。

今の時代は、情報過多の時代です。

ネットやSNSで調べれば、ほとんどの情報は簡単に手に入れる事が出来ます。

だから余計に迷われてしまう。

もうひとつですが、多くの学生の皆様とお話していく中でとても強く感じる事があります。

 

それは「ご自身の強みをご理解している学生の方が少ない」こと。

 

ある方のお話です。

子どもの頃からピアノを12年以上習っており、高校、大学ではバンド活動でベーシストで参加していた。

そんな自分は、音楽の素晴らしさに魅了されました。

大学で学んだ映像表現を加え、楽曲の魅力をさらに引き出すミュージッククリップのディレクターになりたい。

その方には大きな強みがあります。

12年間ピアノを習い弾いていた=譜面が読める! 絶対音感を持っている!

ベーシスト=バンドパートの役割、楽器の種類、アンプ、PA、リハーサルスタジオの仕組み、ライヴの経験など知識を持ち合わせている

子どもの頃から音楽に触れていたため、数多くの楽曲を視聴し・たくさんのミュージッククリップを視聴している。

 

私はその強みを客観的な立場で、仕事に活かすことが出来る!とお伝えします。

 

テレビマンとして番組制作を行いたいという学生の方に

「どのような番組がお好きですか、どんな番組の制作を行いたいですか」とお聞きすると、

バラエティー、ドキュメンタリー、ドラマと幅広いジャンルのお答えが返ってくる事が多くあります。

またディレクターかプロデューサーになりたい!だから放送業界で働きたい!という学生の方もいらっしゃいます。

 

私はジャンルを問わず、たくさんの希望を話す学生の皆さまが素敵に思えてなりません。

なぜなら、学生の皆さまは可能性のかたまりだからです

 

クリエイティブ業界で仕事がしたい!

映像制作が行いたい。

テレビの世界で働きたい。

何百人という学生の皆さんと向き合い、お話をさせていただいたときに思うことです。

 

以前、格闘技系ゲーム・3DCGリガ―デザイナー希望の学生の方に学生時代の事をお聴きしました。

子どもの頃から柔道道場に通い、黒帯2段。今でも小学生に柔道を教えていらっしゃる!

なぜリガ―デザイナーになりたいのかという質問には「格闘技系のゲームが好きだから!」というご返答でした。

改めて、ご自身の強みを聞きましたが、ピンと来てないご様子だったので、強みをお伝えいたしました。

リガ―デザイナーとして格闘技キャラの動きを改めて学ぶ以前に、ご自身が「型」も「動き」も「使う筋肉」も体感しているので、

リグを付けるときに動きがおかしくないかどうか、自分が体を動かすだけで検証が出来る!

さらに武道は「心・技・体」これを学んでいる事も強みだとお伝えしました。

 

自身の強みに自ら気づく

 

やりたい事が多く、就職先を絞り込めない事は素晴らしいことです。

それだけやりたい事がある。

しかし残念な事に、現在は、採用・就職先は1社です。

ご自身の一番興味のあること、好きなこと、やりたいことが出来るプロダクションを、自力で探して応募する。

 

自身のキャリアデザインは自ら行う

 

私のキャリアアドバイスは可能性の追求と、ご就業先の絞り込みです。

 

自分がどれくらいのパーツ(スキル・能力・人間力)を持っているかを知ること。

小学校から大学生である現在も、ご自身がどのようなことに打ち込んでいるのか。

部活でもサークルでも、個人的にでも。

何がお好きで、何を学ばれてきたのか。

趣味や特技は何か。

そしてそのパーツを学生さんと一緒に俯瞰で見ながら、点から線に、そして面にするお手伝いを行います。

それから、パーツの磨き方、また組み合わせの方法、そのための道具の使い方などをお伝えさせて頂いています。

 

しかし、クリエイターの人生というレールの引き方はお教えいたしません。

レールはご自身で引いていただき、キャリアデザインもご自身で行ってもらいます。

夢や憧れからご自身の仕事を選ぶことは、とても素敵なことです。

まずはなりたい職域(クリエイティブ領域)を広げて、その中から自分に合う職業を選び、就職活動を行う。

 

クリエイターの仕事はこれが正解!という事はありません。

Trial and error改善して目標に近づく)の繰り返しです。

そのことを理解し、自分が挑める仕事を決める。

そのためには、REFLECTION&ROCKs熟考して熱狂する)です。

 

クリエイターとして活躍しているアシスタントプロデューサー君。

柔道黒帯。譜面OK。絶対音感も持ち合わせていますね。

自身のキャリアデザインをしっかり行い、明るく輝く未来に挑んで下さい。

そして素敵なプロデューサーになって下さい。

がんぱれ

先輩シニアプロデューサーとして心より願う事です。

 

「クリエイターの*キャリアデザイン」

ここまで読んで頂き有難うございました。

それではまた次回。

 

*キャリアデザイン…なりたい自分の実現のため主体的に職業人生を設計する

 

プロフィール
株式会社フェローズ マーケティング セクション 兼 アニメセクション アドバイザー シニアプロデューサー
関田 有應
(せきた ゆうおう)大学を卒業後、テレビ局直系制作会社に入社。
企画、番組制作、イベント映像、PV、VP制作を行い、その後CM制作を中心に実写業界でのキャリアを積み、大手出版社グループでデジタルコンテンツ系の映像・音楽制作。
子供向けアニメ作品を中心とした、テレビシリーズ・OVA・劇場版・音楽制作・マーチャンダイジングと、キャラクタービジネスの世界で製作プロデューサーを行う。 代表作は、平成の名物キャラと言われる主人公がハムスターのアニメ作品
  株式会社フェローズにて アニメセクションの立ち上げを行い、現在はマーケティングセクションにて全国の映像系学校でのセミナー講師やキャリアアドバイザーを行っている。
息子も大手広告代理店直系の制作プロダクションのPM「親子鷹」である。
※無類の音楽好きで、40年ぶりに大学時代のバンドを復活。活動中。

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