ハンバーガーを食べるなら、環境にいい“プラントベースミート‘’に。プラントベースミート二大ブランドBeyondとImpossible。
最近、アメリカのスーパーマーケットのお肉売り場で普通に売られているplant-based meat(プラントベースミート)。プラントベースミートは、豆類たんぱく質、ココナッツオイルなどを主原料にした植物ベースで作られており、ベジバーガーとは違い、本物の肉の味に近づけて作られていて、肉っぽい食感を味わえることができるフェイクミートです。
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↑↑↑こちらは本物の肉、じゃなくて、プラントベースミートです!
アメリカでプラントベースミートと言えば、Beyond Meat(ビヨンドミート)とImpossible Foods(インポッシブルフーズ)が二大ブランドとなっており、Youtubeでは「Beyondと Impossibleではどちらが美味しいのか?!」 というテーマでビデオがたくさん上がっています。
↓こちらがBeyondとImpossibleともに主力商品の牛挽き肉タイプのもので、ミートボールやハンバーガーパティを作ったり、ピザにトッピングしたり、タコスミートに使ったりと、幅広く料理に使えます。
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そのほかにもハンバーガーパティ状にして売られているものもあります。
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Beyondにはソーセージとミートボール、Impossibleには、ポークとブレックファーストソーセージといった代替商品があります。いずれもプラントベースミートです。
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昨今、アメリカでプラントベースミートが注目されている理由は、若い世代を中心として、肉の中でも特に牛肉を消費することが環境問題に良くないと認知されてきたことや、牛肉よりもヘルシーであること、その上、肉のような食感を味わえて美味しい、以前はオンラインでしか入手できなかったのが地元のスーパーマーケットでも買えるようなったということが挙げられるでしょう。
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BeyondとImpossible、どちらのハンバーガーも美味しそうですね!
原材料を見ていくと、
Beyond:
えんどう豆たんぱく質、玄米たんぱく質、緑豆たんぱく質、ココナッツオイル、キャノーラオイル、メチルセルロース、ビーツ、アップルジュースエキス
Impossible:
えんどう豆たんぱく質、濃縮大豆たんぱく質、ココナッツオイル、サンフラワーオイル、イースト、芋たんぱく質、メチルセルロース
大豆たんぱく質がBeyondに入っていなかったりと、少しずつ原材料に違いがありますが、栄養成分的にはどうなのでしょうか?
本物の牛肉で作られたハンバーガーと比べた場合の栄養成分について見ていきましょう。
Beyond
- カロリー:250kcal
- 脂肪:18g
- コレステロール:0g
- たんぱく質:20g
- 炭水化物:3g
- 食物繊維:2g
- ナトリウム:390mg
- 鉄分:一日の適正量の18%
Impossible
- カロリー:240kcal
- 脂肪:14g
- コレステロール:0g
- たんぱく質:19g
- 炭水化物:9g
- 食物繊維:3g
- ナトリウム:370mg
- 鉄分:一日の適正量の18%
牛肉のハンバーガーパティ(80%赤身、4オンスー約113gの焼いていないもの)
- カロリー:287kcal
- 脂肪:23g
- コレステロール:80mg
- たんぱく質:19g
- 炭水化物:0g
- 食物繊維:0g
- ナトリウム:75mg
- 鉄分:一日の適正量の18%
カロリーは牛肉に比べるとBeyondとImpossibleの方が低く、牛肉にはコレステロールが含まれていますがBeyondとImpossibleはゼロ、牛肉に入っていない食物繊維がBeyondとImpossibleには含まれており、鉄分はBeyondとImpossibleの方が多く含まれています。たんぱく質は1g差はあれどどちらも同量です。
BeyondとImpossibleもさほど栄養面では変わりありませんが、気になるのは牛肉がコレステロールを含んでいること。牛肉のカロリーもBeyond、Impossibleと比べると少し高めです。ナトリウムは成人の一日平均必要量が600mgなので、BeyondとImpossibleの含有量が少々気になるところですが、同じハンバーガーを食べるならば、健康面を考えるとプラントベースミートの方が良さそうです。
しかし問題は、本当に美味しいのかどうか。BeyondとImpossibleのインスタでは、どちらも趣向を凝らした美味しそうなレシピが並んでいます。
こちらはBeyondを使ったマッシュルームの肉詰め。
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こちらはImpossibleを使ったギリシャ料理のギロ。
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私も実際に牛ひき肉タイプのBeyondとImpossibleでハンバーガーを作って見ましたが、どちらもジューシーで美味しかったです。Beyondはココナッツオイルとキャノーラオイル、Impossibleはココナッツオイルとサンフラワーオイルでジューシーさを出しているようです。
左:Beyond Meat 右:Impossible Foods
ただ、プラントベースミートに「牛肉特有の旨味や風味があるか」と言うと、それはないです。それにBeyondは少し独特の味がして個人的にImpossibleの方が好みの味でした。
ちなみにメーカー別の冷凍および冷蔵肉代替品の米国小売市場シェアで見ると、Beyondが21 .9%、Impossibleが9%ですので、Beyondの方がシェアが大きいです。確かにBeyondの方がスーパーマーケットで並んでいるのをよく見ます。
ブランド的には、Beyondは緑をキーカラーにし、プラントベースミートを食べることで、健康面でのベネフィットや環境面でのポジティブな影響を謳っている印象となっています。
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Beyondの父の日のインスタ投稿。「あなたにとって、期待を遥かに超える(above and beyond)父親像である人をタグして!」と書いてあるのですが、ブランド名のBeyondを上手く使ったコピーとなっていますね。
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Beyondは、セレブを使った広告も多いです。これはキム・カーダシアンによるBeyondを使ったレシピ動画を投稿しています。
Impossibleも健康面や環境面での影響を謳っているのはBeyondと同様ですが、明るいエメラルドグリーンをキーカラーにし、サブカラーとして黄色、紫、オレンジ、青などを使い、カラフルでポップなイメージを伝えています。また、エプロン、バンダナ、靴下、料理本などもオンラインでは販売しているところも面白いです。これは若い世代を消費者としてターゲットにしているからでしょう。Beyondは幅広い年齢層をターゲットにしている印象です。
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Impossibleのお肉には、植物から取った肉のような味を再現するための分子であるHeme(ヒーム)が入っており、このHemeをアニメ化してカラフルなゆるキャラとして登場するインスタ投稿もあり、これがフレンドリーな印象を与えています。
↓こちらは、カラフルなゆるキャラHemeによるImpossibleのSpotifyチャンネルのお知らせ。
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BeyondとImpossible、どちらも同様のコンセプトで商品を売り出していますが、それぞれにブランディングの違いがあるのがわかりますね。
プラントベースミートが美味しいのはわかりましたが、ふと、一つ疑問に思ったのが「プラントベースミートは和食に合うのか」。
そこで、大根おろしを乗せた和風ハンバーグを作ってみましたが、残念ながら味はイマイチでした。大根(もしくは醤油?)と肉の味が合っていない気がして…。(これで肉じゃがを作るのは諦めました)ちなみに、カレー、焼きそば、メンチカツ、餃子は美味しかったです。和風ハンバーグ、カレー、焼きそばのみ撮影したので載せておきます。
Impossibleを使った和風ハンバーグ、カレー、焼きそば
ニューヨークでもプラントベースミートを使って料理を提供するレストランも増えています。気候変動への影響も考えると、今後もさらに利用は拡大していくでしょうね。
(参考)
Bloomberg Businessweek – Impossible and Beyond Slash Prices as Fake-Meat Market Heats Up
loseit.com – Nutritional Comparison: Beyond Meat vs. Impossible Burgers