徹底的にこだわったクオリティの高い“ノンアル”クラフトビール：ATHLETIC BREWING CO.
今、日本ではビールよりノンアルコール市場が拡大しているようですが、アメリカも同様で、ノンアルビール・ワインのみ、モクテル（ノンアルカクテル）のみを提供するバーも出来てきています。
今回ご紹介するのは、コネチカット州スタンフォードにあるATHLETIC BREWING COMPANY（アスレチック・ブルーイング・カンパニー）というノンアル専門のクラフトビール醸造所。日本でもクラフトビールを作る醸造所はたくさんあると思いますが、ノンアルのクラフトビール醸造所はまだまだ少ないと思います。
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ノンアルビールを飲む時は、車を運転する時だったり、休肝日だったり、食事中に飲んだりという場合が多いと思いますが、このアスレチック・ブルーイング・カンパニーのノンアルビールは「スポーツやフィットネスをしている時に飲む」ことをメインに訴求している点が面白いところ。
Athletic Beer, Fit For All Times
Athletic Brewing Company – YouTube
日本で販売されているノンアルビール缶のデザインの多くは、ビール缶っぽいものが多く見られますが、このアスレチック・ブルーイング・カンパニーの缶デザインは、自然の風景をベースにしたグラフィックを使い、落ち着いたトーンのデザインで、スポーツクラブで飲んでいても違和感のない感じです。
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現在、販売されているのは主にこの5つの種類で、この他にいくつか期間限定醸造のものが販売されています。
RUN WILD IPA
クラフトビール愛好家のためのIPA。5つの北西ホップのブレンドで醸造された、親しみやすい苦味。
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UPSIDE DAWN GOLDEN ALE
クラシッククラフトゴールデンエールスタイル。さわやかで、クリーンで、バランスの取れたライトボディ。このビールはグルテンが除去されています。
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FREE WAVE HAZY IPA
アマリロ、シトラ、モザイクの3種類のホップが含まれた食欲をそそるIPA。
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ALL OUT STOUT
フルボディの口当たりと心地よいローストフィニッシュ、繊細なコーヒーとほろ苦いチョコレートの香りのスタウト。
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CERVEZA ATLETICA
暑い夏に飲む時の清涼感を感じるために作られた、さわやかなメキシコのライトカッパーラガー。オプションで、ライムと黒胡椒と一緒に飲んでも。
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12オンス（355ml）の6缶セットで12.99USドル（約1,494円）。日本のノンアルビール350mlの6缶だと600円台〜700円台なので2倍以上の値段ではありますが、そこはクラフトノンアルビールだということをお忘れなく。
実際に飲んでみて感じるのですが、アスレチック・ブルーイング・カンパニーのビールは、クラフトビールを飲んだ時に感じる独特の味わいと香りがあります。これについて、アスレチック・ブルーイング・カンパニーのウェブサイトからの説明には、以下のように説明がありました。
“ノンアルコールビールの製造に利用されているすべての産業技術は、少なくとも30〜40年前のものであり、ホップの風味や香りがなく、最も重要なことに、真のクラフト特性を欠いている大量のマクロビール用に作られていることがわかりました。
そこで私たちは、ビールを工業プロセスなしで完全に発酵させる必要があるという考えに着手。この職人的なアプローチと（中略）、温度などの自然変数を微調整する数百回の試行を通じ、通常の醸造プロセスに約12〜15回の変更を加えることで、完全に発酵して0.5％未満のアルコール度数に調整されたビールを醸造できることがわかりました。”
Athletic Brewing Co: Ingredients
Athletic Brewing Company – YouTube
このことからも、丹念な職人的アプローチと試行錯誤の上で出来上がったクオリティの高いノンアルビールだということがわかりますね。
参考までにカロリーを見てみると、UPSIDE DAWN GOLDEN ALE、FREE WAVE HAZY IPAは70kcal、UPSIDE DAWN GOLDEN ALEは50kcal、ALL OUT STOUTは90kcal、CERVEZA ATLETICAは60kcal。日本のノンアルビールは350mlで40〜70kcal、ノンアルのノンカロリービールだと０kcalというのもありますので、日本のノンアルビールの方がカロリーは少ないです。
また、このアスレチック・ブルーイング・カンパニーが行っているのは、ノンアルクラフトビールの製造販売だけではありません。
TWO FOR THE TRAILSという助成プログラムでは、屋外でのアクティブで健康的なライフスタイルをサポートするために、メンテナンスが必要なハイキングコースの修繕、新しいマウンテンバイクルートの構築、街への緑地配備などの事業に、毎年売上高の2％を寄付しています。今年はアメリカハイキングソサエティ他58ヶ所に寄付を行いました。
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テキサス州オースティンでは、フィットネスクラブとノンアルビールが飲めるバーが併設されたAthletic Bar（アスレチック・バー）を運営しています。普通のフィットネスクラブのようにプロのインストラクターによるクラスに参加でき、運動の後はバーでノンアルビールを楽しむというシステムになっています。素晴らしいアイディアですね。
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そして、注目したいのが企業ミッションです。2020年にアスレチック・ブルーイング・カンパニーは、ジョージ・フロイドさんの死（2020年に黒人男性ジョージ・フロイドさんが白人の警官に拘束され死亡した事件）を受けて人種的正義のため、70,000USドルを寄付しているのですが、これに関して、企業として、業界のリーダーとして、業界やコミュニティで多様性と包括性の文化を構築するために、変化が必要だと決意しています。
というのも、女性、BIPOC（黒人、先住民、有色人種）、LGBTQ +はクラフトビールコミュニティから除外されているという現状があるのだそうです。
- クラフトビール醸造所を所有者の88％は白人
- 醸造所のわずか7.5％が女性を雇用
- ヒスパニックとBIPOCの従業員は、醸造所のスタッフのそれぞれ約7％と4％を占めるのみ
それを解決するアクションプランとして、女性、BIPOC、LGBTQ +などの過小評価されている人たちの雇用をしていく、性別、年齢、人種、向き、能力、またはその他のステータス全体で、同一賃金を確保するために給与の監査を実施する、性別、年齢、人種、向き、能力などに関係なく、コミュニティのすべての人々の健康と安全を促進するための非営利団体をサポートする、といったことが挙げられています。
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ちなみに、アスレチック・ブルーイング・カンパニーは2018年に創設、2020年5月に1750万ドルの資金調達を受けています。調査会社ニールセンによると、アスレチック・ブルーイング・カンパニーの小売売上高は、2020年2月29日までの52週間で130万ドル（約1億5,000万円）を超えたそうです。
徹底的にこだわったクオリティの高いノンアルクラフトビールの提供、助成プログラムTWO FOR THE TRAILSや、業界やコミュニティで多様性と包括性の文化を構築するためのアクションプラン、フィットネスクラブ併設で健康的になるアスレチック・バーなど、ノンアルビールでここまでクリーンで健康的な企業イメージを確立していることに尊敬の念さえ抱かせます。これが現代の企業のあり方だと思いますし、もし自分が支援したいもしくは投資をしたいのであれば、こういうことを進んで行っている企業にしたいです。だからこそ、売り上げも付いて来ているんだなと思います。
アスレチック・ブルーイング・カンパニーのノンアルビールは、以前から好きで飲んでいましたが、今回、企業のことをより深く知ることができて、さらに高感度が上がりましたし、今度、期間限定醸造のものも飲んでみようと思いました。
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上記は期間限定醸造のMaple Brown。メープルウォーターとビールの最高のコンビネーションだそうです！
（参考）
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